

軽快感を求めて空気圧を上げ過ぎるとコーナーで外に膨らみます。
ピレリのANGEL GT2は、スポーツツーリングタイヤの進化形として開発されたラジアルタイヤです。このタイヤは、初代エンジェルGTのグランツーリスモコンセプトを継承しながら、走る喜びと持続的なパフォーマンスをドライ・ウェット両方で実現することを目指しています。
ANGEL GT2の最大の特徴は、新品時の性能をできるだけ長く維持することです。従来のツーリングタイヤは寿命を優先すると性能が犠牲になる傾向がありましたが、GT2はライフを初代GTと同等に保ちながら、寿命を迎える直前までピレリらしい軽快感やスポーツ性が味わえるよう設計されています。
つまり性能劣化の最小化が基本です。
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トレッドパターンには、ギリシャ文字のIIを思わせる2本の中央縦溝を採用しており、これが排水性だけでなく適度なたわみを生み出す設計になっています。リアタイヤにはデュアルコンパウンドを採用し、耐摩耗性とコーナリンググリップを両立しています。
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価格は前後セットで約39,800円から、単品では17,000円~26,000円程度で販売されています。対応サイズは120/70ZR17から190/55ZR17まで幅広くラインナップされており、多くのスポーツツーリングモデルに適合します。
ピレリ公式サイト - ANGEL GT II製品ページ(タイヤの詳細スペックと対応車種が確認できます)
走り出した瞬間、多くのライダーが「空気圧高過ぎ?」と思うほどの軽快なハンドリングを体感します。特に30km/h以下の低速域では、ニンジャ1000やMT-09といった重量級バイクでも車重を感じさせず、渋滞での発進停止や細い路地の右左折が自由自在に扱えます。
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この軽快性の秘密は、初代エンジェルGTとの設計思想の違いにあります。初代がトレッド面の不要なたわみを抑える方向だったのに対し、GT2は適度なたわみを有効活用する設計になっています。操作に対する反応が機敏で、車体をバンクさせる際の動きも軽やかです。
ただし、この軽快性は速度が高まるにつれて薄くなります。高速道路クルージングではツーリングタイヤらしい落ち着いた直進安定性に変化し、長距離走行でも疲れにくい特性を発揮します。直進の安定性についてはスポーツタイヤS22よりも優れているという評価もあります。
峠道でのスポーツ走行においても、ステップから火花が散るようなバンク角でも安定感が高く、ライントレース性も良好です。2速ホールドで強いエンジンブレーキやフル加速を繰り返してもグリップ力に不満はありません。荷重移動を積極的に使った走行でも反応は穏やかで、ライン上をサラリとトレースしていく感覚です。
タイトなコーナーでの倒し込みについては、スポーツタイヤと比較すると反応が若干遅れる傾向があります。ハンドル操作から後輪がついてくるまでに若干のタイムラグを感じるライダーもいますが、逆に言えば神経質さがないため、ツーリングシーンでは疲れにくい特性と言えます。
ANGEL GT2の走行寿命は約14,000kmと報告されており、これは純正タイヤの約1.5倍以上に相当します。NC750Xで法定速度を順守して走行した場合、純正タイヤはフロント8,357km、リア9,658kmで交換が必要だったのに対し、エンジェルGTは14,000kmまで持ったという実例があります。
このタイヤの最も優れた点は、寿命末期までハンドリングが悪化しないことです。従来のタイヤは摩耗が進むと性能が著しく低下しますが、GT2は細くて浅いグルーブと均一な摩耗を実現するプロファイル、スチールベルトとカーカス、コンパウンドの最適化により、ライフ中盤から終盤の性能劣化を最小限に抑えています。
価格面では前後セット約39,800円から購入可能で、1kmあたりのコストで考えると非常に経済的です。長距離ツーリングを頻繁に行うライダーや、通勤でも使用するライダーにとって、交換頻度の少なさは大きなメリットになります。
ただし、タイヤのサイドウォール剛性が高いため、走行初期には硬さを感じることがあります。空気圧を2.8kgf/cm²から2.6kgf/cm²に下げることで多少マイルドになりますが、剛性感の高さは残ります。この硬さは耐久性とトレードオフの関係にあり、長寿命を実現するための設計と言えます。
Webike - ANGEL GT IIの価格比較とユーザーレビュー(実際のユーザー評価と最安値が確認できます)
ANGEL GT2のトレッドパターンは、DIABLOレーシングタイヤのレイン、インターミディエイトタイヤを元に開発されています。中央部に配置された2本のストレートグルーブが高い排水性を実現し、濡れた路面や大雨でも安定した走破性能を発揮します。
参考)https://www.shop-mach.com/index.php?pid=139679102
多くのライダーが「雨だからこそ、このタイヤでよかった」と思わせるだけのウェット性能と安心感があると評価しています。雨天時のツーリングでも不安を感じることなく、ドライ路面に近い感覚で走行できる点が高く評価されています。
参考)バイクの世界の変化とタイヤの進化 - バイクの輪 blog
バンク時の接地面は縦長に変化する設計になっており、安定感を確保する仕組みです。中央に2本の縦溝が存在するにも関わらず、直進時もバンク時も接地面積は初代より増加しており、グリップ力の向上に貢献しています。
荒れた路面や高架の継ぎ目をバンクしたまま通過しても弾かれる度合いが少なく、ブレーキを掛けたまま減速帯を通過した際の衝撃吸収性にも優れており、上質な乗り心地を提供します。路面の縦溝の影響も受けにくく、ストリート適性は文句なしに高いと評価されています。
温度依存性が小さいため、タイヤの暖まりや路面温度をさほど気にせず走り出せます。これはツーリングユースにおいて、絶対的なグリップよりも重要な性能と言えます。
ANGEL GT2に交換する際は、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。まず、このタイヤは重量級モデル向けにカーカスを強化した仕様があり、製品名末尾に(A)が付くタイプがあります。装備重量230kg以上のバイクには(A)仕様を選ぶことが推奨されます。
空気圧管理については特に注意が必要です。標高が上がると大気圧が下がり、タイヤの内圧が相対的に高くなります。高地ツーリングに行く際、遠出だからといって空気圧を高めに設定すると、山道で空気圧が過剰になり、接地面積が減少してグリップ力が低下する危険性があります。
参考)高地ツーリングの落とし穴。気圧の影響で起きるタイヤの空気圧変…
空気圧が高すぎると、タイヤの接地面積が減少し、グリップ力低下や乗り心地の悪化を招きます。逆に空気圧が不足していると、転がり抵抗が増えて燃費が悪化し、タイヤの異常摩耗を引き起こします。適正な空気圧は車種によって異なりますが、一般的にはメーカー推奨値を基準に、ツーリング前に確認することが重要です。
参考)タイヤの空気圧の見方は?過不足によるリスクや調整方法を紹介 …
タイヤ交換直後は、サイドウォールの剛性の高さから硬さを感じることがあります。最初は空気圧を若干低めに調整してみて、数百km走行して慣らしを行うことで本来の性能を発揮します。走行距離500km程度からタイヤの特性が馴染んでくるという報告もあります。
ツーリング前の空気圧チェックは必須ですが、特に山岳地帯や高地を含むルートを走る場合は、標高差による空気圧変化を考慮して、やや低めに設定しておくのが安全です。デジタル空気圧計を携帯して、休憩時に確認する習慣をつけると良いでしょう。