

社外マフラーに交換しただけで、違反点数2点と罰金5万円が科されることがあります。
ZRX1100 IIのカスタムで、最初に手を出したくなるのがマフラー交換です。音・見た目・パワー特性の3つが一度に変わるので人気なのは当然です。ただし、この「最初の一手」には意外と知られていない法的リスクが潜んでいます。
ZRX1100 IIは1997〜1998年式なので、平成10年(1998年)騒音規制の適用区分としては「規制前の車両」に該当します。そのため近接排気騒音の基準値は99dB以下が目安です。これは現行の平成22年規制(94dB)よりも緩いので、選べるマフラーの幅は広め。意外とゆるいと感じるかもしれませんね。
しかし注意が必要なのは、保安基準を満たしていないマフラーを装着したまま走行した場合、違反点数2点・罰金5万円以下が科されるという点です。ただマフラーを交換しただけでも、保安基準非適合品であれば路上取り締まりの対象になります。これは出費として痛いですね。
では何を選べばよいのか。JMCAプレートが刻印されたマフラーが、第三者機関の騒音・排ガス試験をクリアした「車検対応品」の証明です。ZRX1100/II対応モデルとして、アールズ・ギアの「ワイバン フルエキゾースト」やヨシムラの「サイクロン 4-1チタン/カーボン」などが実績あるラインナップとして知られています。
| マフラーの種類 | 交換範囲 | 費用目安 | 音量変化 |
|---|---|---|---|
| スリップオン(サイレンサーのみ) | サイレンサー部分 | 2〜5万円 | やや大きめ |
| フルエキゾースト | エキパイ〜サイレンサー全体 | 8〜25万円 | 大きく変化 |
| JMCA認証フルエキ | エキパイ〜サイレンサー全体 | 8〜25万円 | 車検対応内 |
チタン製フルエキは焼け色の美しさが魅力で、ZRX1100 IIのメッキパーツとのコントラストが映えます。JMCA認証マフラーが条件です。
また、車検対応品でもバッフル(消音インナー)を取り外した状態では基準値を超えることがあります。ショップでの取り付け時に音量測定を確認しておくと安心です。
参考:バイクのマフラーに関する騒音規制の基準値と年式別の詳細
JMCA 全国二輪車用品連合会|近接排気騒音相対値規制について
ZRX1100 IIのカスタムの中でも「走り」に直結する定番が、スイングアームの交換です。純正スイングアームはコーナリング中にわずかなたわみ感を感じることがあり、これがボトルネックになることがあります。
最もコスパが高い選択肢として知られているのが、ZRX1200用純正スイングアームの流用です。ZRX1100用と比べて幅が約9mmワイド・長さが約15mm延長されており、リアホイールのリム幅が5.0Jから5.5Jへ拡大されます。これにより純正では170/60-ZR17だったリアタイヤが、180/55-ZR17サイズへの換装が可能になります。タイヤの設置面積が広がるということですね。
ヤフオクやフリマサイトで中古のZRX1200スイングアームを探すと、3〜6万円程度で入手できることがあります。ただし、装着にあたってはエキセントリックアクスルカラーなど付随パーツの適合確認が必要です。実際のユーザーレポートでは、装着後に「フロントしか替えていないのに乗り味が全く変わった」という声も多く、バネ下重量の変化は体感しやすい改善点の一つです。
新品の社外スイングアームも豊富に存在します。
スイングアームの交換は、走りの安定感を根本から変える効果があります。これは使えそうです。なお装着後にリアサスのセッティング変更が必要になる場合もあるため、ショップへの相談を組み合わせると確実です。
参考:G-STRIKERスイングアームのしなり効果と適合情報
バイクブロス|ZRX系用スイングアームのしなり効果とラインナップ詳細
ZRX1100 IIというバイクが生まれた背景には、1981年のAMAスーパーバイクでエディ・ローソンが駆ったZ1000Rへのオマージュがあります。そのため外装をZ1000MkIIスタイルに仕上げるカスタムは、ZRX系オーナーの間で根強い人気を持っています。
具体的なカスタム手順は以下の通りです。
外装カスタムで気をつけたいのが、テールカウルの後方移動に伴うサブフレームへの負担です。重量のある社外カウルを純正ステーそのままで固定すると、振動で割れたり緩んだりする可能性があります。サブフレームの補強や専用ステーの製作を検討すると安全性が上がります。
さらに個性を出したい場合は、フロントカウルのローダウン(より前傾に見せる加工)や、ナポレオンミラーへの換装が効果的です。ナポレオンミラーはZシリーズの雰囲気を醸し出すパーツとして、数千円〜1万円台で手に入れられます。これは費用対効果が高いです。
フルスクラッチでMkII仕様を目指すより、「Z外装キット+純正ベース補強」という構成が費用と完成度のバランスが取りやすい選択肢です。
ZRX1100 IIは1996年登場のモデルです。登場から約30年が経過しており、ブレーキ系統は現代のスポーツバイク水準と比べると見劣りする部分があります。ここに手を入れることで走りの安全性と快感が同時に上がります。
ホイール交換では、ゲイルスピード TYPE-Rが多くのオーナーに支持されています。鍛造アルミ製で純正より大幅に軽く、フロントに装着するだけで「乗り味が全く別物になった」という感想がみんカラでも多数報告されています。前後セットで30〜50万円程度と投資は大きめですが、バネ下重量の軽量化効果は体感しやすいです。
ブレーキキャリパーについては、ブレンボ4ポット対向ピストンキャリパーへの交換が代表的なアップグレードです。純正は6ポットですが、ブレンボに変更することでコントロール性が向上したという声があります。価格はキャリパー単体で3〜6万円程度が相場です。
ステンメッシュブレーキホースは比較的手頃な価格で効果を実感しやすいカスタムです。純正のゴムホースはブレーキを握ったときにホース自体がわずかに膨らむため、入力がダイレクトに伝わりにくいことがあります。ステンメッシュに換えることで「握った分だけ止まる」感覚が得られます。
ホイール交換はタイヤのサイズ変更を伴う場合があり、前後のキャスターやトレール量にも影響が出ることがあります。ショップでのアライメント確認を前提に進めるのが基本です。
ZRX1100 IIに搭載されている1,052cc水冷直列4気筒エンジンは、ZZR1100系のユニットを元にしており、ポテンシャルの高さは折り紙つきです。純正状態で100馬力を発揮していますが、チューニングの余地はまだ残っています。
意外なことに、ZRX1100 IIのフレームとエンジンマウントはZZR1200(後継のZRX1200)との互換性が高く、ZZR1200エンジンへのスワップを施した事例も存在します。あるショップ(NAL.TEC)では絶版車復活メニューとしてZZR1200エンジンスワップを手掛けており、エンジン単体から車体整備・改造申請まで含めた総費用は工賃込みで数十万円規模になります。エンジンスワップ後は「改造申請」が必要です。これは法的手続きが必要ということですね。
一方で、純正エンジンのポテンシャルを引き出す方向のチューニングも人気があります。
BEETが製作したZRX1100カスタムマシン「快(カイ)」では、上記チューニングを組み合わせることで後輪出力142psを達成しています。純正93psから約1.5倍以上の出力アップです。ただしここまで仕上げると、クラッチ強化・ラジエター大容量化・オイルクーラー追加も必須になります。
エンジンチューニングは費用と効果のバランスを見極めることが大切です。まず「キャブセッティング+マフラー交換」の組み合わせから始めるのが、費用対効果の観点では最初の一歩として理にかなっています。
参考:ZRXシリーズのエンジンチューニングとカスタム方針について詳しく解説
HANDL-MAG|ZRXシリーズのエンジンチューニング&カスタム詳細(TG中川)