スーパーベローチェ 800の魅力とスペックと維持費

スーパーベローチェ 800の魅力とスペックと維持費

スーパーベローチェ 800の魅力とスペックと維持費

「外見がレトロなんだから、走りも穏やかだろう」と思って乗ると、1速で法定速度を超えます。


スーパーベローチェ 800 ざっくり3ポイント
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ネオクラシック×スーパースポーツの融合

1970年代のGPレーサーをモチーフにしたデザインながら、798cc直3エンジンで最高出力147hp/13,000rpm、最高速240km/hを誇る本格スポーツ。見た目と走りのギャップが最大の特徴。

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MotoGP直系の逆回転クランク搭載

全MotoGPグリッドが採用する逆回転クランクを公道バイクに搭載。フロントタイヤの接地力を高め、コーナリング中の安定性が際立つ。知らないと損するテクノロジーが詰まっている。

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購入前に必ず確認したい維持費の現実

新車価格は286万円〜、セリエオロは352万円。イタリア製輸入車ゆえ、メーカー保証3年+延長最大5年の活用が維持コスト管理の鍵。中古購入時の保証確認は特に重要。


スーパーベローチェ 800が誕生した背景とMVアグスタの歴史



MVアグスタ(Meccanica Valmechica Agusta)は、イタリア・ヴァレーゼに拠点を置くメーカーで、1950年代後半から1970年代前半にかけてグランプリレースで世界王座を37回獲得した、まさに伝説的なブランドです。そのレース黄金期に使われたマシンは、独特の3気筒エンジンを搭載したロードレーサーで、そのDNAこそがスーパーベローチェ 800のルーツとなっています。


2018年のEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)で「スーパーベローチェ コンセプト」として初披露されたとき、会場は異様な熱気に包まれました。デザインを担当したのは、CRC(カジバ・リサーチ・センター)のチーフを務めるイギリス人デザイナー、エイドリアン・モートン。F3のデザイナーとしても知られ、MVアグスタの3気筒エンジン造形を知り尽くした人物です。


コンセプトモデル公開後、2020年に市販モデルとして日本へ上陸しました。ただし、新型コロナウイルスの影響で当初の予定より導入が遅れ、2020年秋に初の公道デビューを果たしています。


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| デビュー年 | 2018年(EICMA コンセプト) |
| 日本導入 | 2020年秋 |
| モチーフ | 1950〜70年代のMVアグスタ製GPレーサー |
| デザイナー | エイドリアン・モートン(CRC) |
| ベース車両 | F3 800 |


スーパーベローチェの名は、イタリア語で「超速い(Super Fast)」を意味します。レトロなシルエットに現代のスーパースポーツ技術を凝縮させた、まったく新しいジャンルのバイクです。




MVアグスタの公式情報はこちら:

MV Agusta 公式サイト|Superveloce モデルページ(スペック・電子制御一覧)


スーパーベローチェ 800のスペックと電子制御システム

エンジンは798cc水冷4ストロークDOHC 12バルブ並列3気筒。ボア×ストロークは79.0mm×54.3mmで、最高出力は147hp(108kW)/13,000rpm、最大トルクは88Nm(8.98kgf・m)/10,100rpmとなっています。乾燥重量わずか173kg、シート高830mmというスリムなボディからは想像できないほどの高出力で、1990年代末にヤマハが誇ったYZF-R1初代モデル(150ps)に迫る数値です。


主要スペック一覧は以下の通りです。


| 項目 | 数値 |
|---|---|
| エンジン排気量 | 798cc |
| 最高出力 | 147hp(108kW)/13,000rpm |
| 最大トルク | 88Nm/10,100rpm |
| 乾燥重量 | 173kg |
| シート高 | 830mm |
| 燃料タンク容量 | 16.5L(リザーブ4L含む) |
| 最高速 | 240km/h |
| 変速機 | カセット式6速 |
| フレーム | ALSスチールパイプ トレリス |


電子制御の充実度は、このクラスでも突出しています。エンジンモードはRACE・SPORT・RAIN・CUSTOMの4種類。トラクションコントロールは8段階+OFFで調整でき、コーナリングABS、ローンチコントロール、フロントリフトコントロール、クルーズコントロール、EAS3.0クイックシフター(アップ&ダウン対応)が全て標準装備されています。


つまり、レーシングカーのような電子パッケージが標準です。


5インチTFTカラーディスプレイはBluetoothでスマートフォンと接続でき、通話・メール受信・音楽再生の確認が可能です。さらに、盗難対策として車両がリアルタイムで位置情報を送信するシステムまで内蔵されています。


サスペンションはフロントがMARZOCCHI製φ43mm倒立フォーク、リアがSACHS製プログレッシブ シングルショック。ブレーキはフロントにブレンボ4ピストンラジアルマウントキャリパー+φ320mmフローティングダブルディスク、リアにブレンボ2ピストン+φ220mmシングルディスクが組み合わされています。




詳細スペックの参照元はこちら:

ride-hi.com|MVアグスタ スーパーベローチェ800 インプレ・詳細スペック(2021年型)


スーパーベローチェ 800の逆回転クランクがもたらす走行性能

スーパーベローチェ 800に搭載される798cc直3エンジンの最大の技術的特徴が、「逆回転クランク」です。これはMotoGPのほぼ全グリッドが採用する機構で、公道バイクへの採用は世界的にも非常に珍しいとされています。


通常のバイクでは、クランクシャフト・ホイール・スプロケットがすべて同一方向に回転します。加速時はその回転によってジャイロ効果が増大し、フロントが浮き上がるウィリーが起きやすくなります。意外ですね。


一方、逆回転クランクでは、前後輪のジャイロ効果をクランクシャフトの逆回転がある程度相殺する形になります。これによって加速時のフロントリフト(ウィリー)が抑制され、コーナー出口でアクセルを開けてもフロントタイヤが路面に押し付けられる方向に力が働きます。また、減速時も後輪が路面へ押し付けられ、エンジンブレーキがかかった際のリアの安定性が高まります。


コーナリングスタビリティが高いのが原則です。


実際のインプレッションでは、「タイヤから伝わる接地感の高さはMVアグスタの全ラインナップ中、随一」「フロントはちょっとやそっとでは破綻しそうにないほどのスタビリティ」と評されており、ライン選択の自由度がきわめて高いとされています。街乗りからワインディングまで、逆回転クランクの恩恵は日常的な走行域でも確実に感じられる点が、このバイクの隠れた強みです。


🔵 逆回転クランクの主なメリット


- ウィリー抑制:加速時のフロントリフトが起きにくい
- コーナリングABSとの相乗効果:減速時のリア安定性が向上
- ジャイロ効果の軽減:ハンドリングが軽くなる
- トラクション向上:スロットルを開けるほどフロントが路面を捉える


エンブレ安定のほうがメリット大です。


実はMVアグスタがこの技術を公道車に持ち込んだのは、スーパーベローチェ 800の前身であるF3 675(2012年発売)が最初です。以来、ブルターレ、ドラッグスター、ツーリズモヴェローチェなど全3気筒モデルに採用され、MVアグスタのハンドリング哲学の核心を成す技術となっています。




逆回転クランクの詳しい解説はこちら:

ヤングマシン|MVアグスタ3気筒は、MotoGPマシンと同じクランク逆回転のメリットが一般道路でも感じられる!


スーパーベローチェ 800のモデルバリエーション:セリエオロとの違い

スーパーベローチェ 800には、標準モデルと特別仕様「セリエオロ(Serie Oro=ゴールドシリーズ)」の2グレードが存在します。セリエオロの名称はMVアグスタの伝統的なプレミアムラインで、1999年のF4復活モデル「F4 Serie Oro」以来、特別仕様車に使われてきた由緒ある名称です。


| 比較項目 | 標準モデル | セリエオロ |
|---|---|---|
| 日本発売時価格 | 249万7,000円(2020年型) | 352万円 |
| 生産台数 | 通常生産 | 世界限定300台 |
| マフラー | 右3本出し | アローワンオフ(右2本+左1本の非対称) |
| シート | 標準 | アルカンターラ |
| ホイール | アルミ鋳造 | 星型ワイヤースポーク |
| 外装 | 標準カラー | カーボン外装 |
| 革ベルト(タンク) | 有 | 有(より上質) |


外観上の最大の違いはマフラーと足回りです。セリエオロには、専用チューニングされたARROW製エキゾーストが装着され、右2本+左1本という左右非対称の独特レイアウトになっています。星型ワイヤースポークホイールは1970年代のGPマシンを強く想起させるデザインで、見る者を一瞬で時代の彼方へ引き込みます。


これは使えそうです。


標準モデルは、2020年型の249万7,000円から2021年型では286万円へと値上げされています。この値上げは単なる価格改定ではなく、ユーロ5排ガス規制対応のためのエンジン内部パーツ刷新、吸排気系再設計、フレーム剛性見直し、EAS2.1からEAS3.0へのクイックシフターアップグレードなど、実質的なアップデートを伴うものでした。2020年型を早期に購入したオーナーには、アローマフラー3本セット(単体価格で数十万円相当)が付属するキャンペーンも実施されており、双方にメリットがある形の移行となっています。


2024年モデルも現行ラインナップとして継続販売されており、カラーバリエーションの追加が行われています。海外向けには「Superveloce 98」という、さらに限定色のエディションも展開されています。




セリエオロの詳細はこちら:

バイクブロス|MVアグスタ「スーパーベローチェ 800 セリエオロ」正式発表(価格・スペック)


スーパーベローチェ 800の維持費と購入前に知るべきポイント

スーパーベローチェ 800を購入する際、多くのライダーが最初に気にするのが「維持費」と「故障リスク」です。正直に言うと、国産ミドルスポーツと同じ感覚でのコスト試算は通用しません。


MVアグスタを含む高性能輸入バイクの維持費が高くなる理由は、主に3点です。部品代が国産バイクより高い、ディーラーでの点検・工賃が割高な傾向がある、そしてハイパフォーマンスゆえに消耗品の交換サイクルが早いという点が挙げられます。たとえばタイヤやブレーキパッドは国産スポーツに比べても交換頻度が上がりやすく、年間コストに影響します。


厳しいところですね。


一方で、MVアグスタのメーカー保証制度は近年充実してきています。新車購入時には走行距離無制限・3年間のメーカー保証が付帯します(ドゥカティが2年間なのに対し、1年多い点は見逃せません)。さらに、プラス料金で最大2年間の延長保証に加入することができ、条件を満たした中古車にも延長保証が適用できます。最大5年間の保証体制が組める点は、購入検討者にとって実質的な安心材料です。


メーカー保証を最大限使うのが原則です。


故障事例としては、ボルト緩み・クーラント漏れ・アイドリング不安定・エンジンストールなどが報告されていますが、致命的なトラブルのないオーナーも多く存在します。統計データが少ないため、個別事例の差が大きいのが現状です。


🔵 購入前のチェックリスト


- 正規ディーラーからの購入が原則:保証・パーツ供給の安定性を確保できる
- 延長保証への加入を検討:最大5年の保証で突発出費を抑える
- 中古購入は保証期間の確認必須:初年度登録から10年以内など条件あり
- オイル・タイヤ交換コストを年間計画に組み込む:ハイオク指定、消耗品サイクル早め
- 正規ディーラーのアフターサービス体制を確認:MVアグスタ取り扱い店は国内で限られる


なお、MVアグスタ日本公式の正規ディーラー一覧は公式サイトから確認できるため、購入候補を絞った後にそのエリアの正規拠点を事前に調べておくことをおすすめします。アフターサービスの拠点が遠い場合、修理待ちで長期間バイクを預ける状況が発生するリスクがあります。距離感と拠点の確認がメンテナンス計画の第一歩です。




MVアグスタの維持費・保証制度についての詳細はこちら:

riomeo.com|【故障まとめ】MVアグスタは故障する?維持費・トラブル情報を解説




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