

CBR400Rはスポーツバイクなのに、17Lタンクで無給油500km以上走れます。
CBR400Rに搭載されるエンジンは、水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒(399cc)です。実はこのエンジン、国内向けに400ccへダウンサイズされていますが、設計の出発点は海外向けCBR500Rと同じ500ccプラットフォームです。つまり、余裕のある排気量帯に向けて設計されたエンジンを、あえて400ccに絞り込んだ構成になっています。
これが何を意味するかというと、エンジン内部のパーツ寸法やフレームの設計に余裕があるということです。結果として、低回転から豊かなトルクが生まれ、信号待ちからの発進やUターン時にもグズることがありません。3,000回転台という、ほぼアイドリング付近の回転数からでも力強く前に進んでいくのがCBR400Rの特徴です。
最高出力は46PS(9,000rpm)、最大トルクは38N・m(3.9kgf・m / 7,500rpm)。スポーツバイクとしては控えめな数値に見えますが、試乗インプレではベテランライダーからも「4気筒のCB400スーパーフォアより力強く感じる」という声が挙がるほど、実用域でのパワー感は印象的です。つまり、数値より体感が濃いエンジンということです。
4,000〜5,000回転の中回転域でスロットルを開けると、ストレスなく加速感が続き、そのままレッドゾーン手前まで気持ちよく伸びていきます。2気筒特有の鼓動感も適度にあり、走っていて退屈しません。ぶん回さなくても楽しめるのが基本です。
アシストスリッパークラッチも採用されているため、クラッチレバーが非常に軽い点も見逃せません。長距離ツーリングで何百回もシフトチェンジする際に、左手が疲れにくいのは実用上の大きなメリットです。これは使えそうです。
バイクブロス「ホンダ CBR400R 試乗記」——ベテランライダーによる詳細なエンジン・ハンドリングインプレ
2022年以降のモデルでは、フロントフォークがSHOWA製SFF-BP(セパレート・ファンクション・フロントフォーク・ビッグピストン)の倒立タイプへ変更されています。フロントブレーキはダブルディスク+ラジアルマウントキャリパー(NISSIN製)という、大型スポーツ車並みの豪華構成です。フロントタイヤサイズは120/70ZR17、リアは160/60ZR17です。
実際に乗ってみると、ブレーキレバーを握った初期からしっかりとしたタッチがあり、奥でじわっと制動力が立ち上がる感覚は「コントローラブル」の一言に尽きます。制動力の高さよりも、コントロールのしやすさで際立つブレーキです。ちょんとブレーキをかけるとスッとサスペンションが縮み、ギューッと粘るダンピング特性は、試乗した複数のプロライダーが絶賛するほどのレベルです。
シート高は785mmで、フルカウルスポーツモデルとしては低めの設定です。身長168cmのライダーなら両足がべったりと地面に届き、両膝にも余裕があります。フルカウル×倒立フォークというスペックから「足つきが悪そう」と思い込んでいると、実際に跨った際に驚くはずです。シート高785mmなら問題ありません。
さらに車体がスリムな2気筒エンジン搭載車のため、足首のロール量(つまり内股寄りの傾き)が少なく、実際の足つき感覚は数値以上に良好です。小柄なライダーや女性ライダーが「予想より全然乗りやすかった」と感想を述べるケースが多いのも、このスリムな車幅によるところが大きいです。
ハンドリングは素直の一言です。セパレートハンドルを採用していますが、ハンドルバーの位置はトップブリッジの上に設けられているため、前傾角は強くありません。大型スーパースポーツと違い、低速域でも軽快にスッと方向を変えてくれます。速度が上がっても安定感が増し、峠道では膝が接地するほど深くバンクさせることも可能ですが、そこまで無理に寝かさなくてもコーナリングは成立します。乗り手を選ばないのが条件です。
オートバイ編集部「ホンダ新型CBR400Rインプレ」——ハンドリングと乗り心地に関する詳細な試乗レポート
CBR400Rの燃費はスポーツバイクの常識を超えています。国土交通省届出値の定地燃費は41.0km/L(60km/h走行時)、WMTCモード燃費は28.1km/Lです。これはメーカーの公式数値ですが、実際のオーナーが満タン法で計測した実燃費もかなり優秀です。
HondaGO BIKE RENTALの公式レポートによると、高速7割・一般道3割の混走条件でトータル493.7km走行時の満タン計測燃費は31.5km/Lを記録しています。燃料タンク容量は17Lなので、単純計算で1回の給油あたりの航続距離は約535kmです。これは東京から大阪までの距離(約500km)に相当します。つまり、東京〜大阪をほぼ無給油で走り切れる計算です。
みんカラのユーザーレポートでは34.0km/L前後を安定して記録する報告が多く、ツーリング主体の用途では30〜36km/L前後が現実的な実燃費帯といえます。同クラスのライバルであるKawasaki Ninja400の燃料タンクは14L(航続距離の単純計算では約448km)なので、CBR400Rの17Lタンク×優秀な燃費という組み合わせは明確な差別化ポイントです。
100km超えの速度域では振動が増すという報告もありますが、100km/h以内での巡航であれば振動は「全く気にする必要なし」というオーナーの声が多数あります。高速道路の法定速度内での使用に限れば、長時間クルーズも快適に行えます。燃費がいいことはツーリングライダーにとって直接お金の節約になります。
たとえばツーリングで500km走った場合、リッター30km走れれば使うガソリンは約16.7L。リッター170円として計算すると、約2,839円でその距離をカバーできます。一方、燃費が20km/Lのバイクなら同じ距離で約4,250円かかります。つまり1回のツーリングで1,400円以上の差が出る計算です。年間を通じて走ると、その差は積み重なっていきます。
HondaGO BIKE LAB「CBR400Rってどんなバイク?燃費や足つき性」——公式による詳細な実燃費計測データ
2024年3月に発売された現行モデルは、外観デザインの刷新に加えて電子デバイスが一気に充実しました。新採用された装備は主に3つです。
まず1つ目がHSTC(Honda Selectable Torque Control)です。これはいわゆるトラクションコントロールで、走行中にリアタイヤがスリップしそうになると自動でエンジン出力を絞り、転倒のリスクを下げてくれるシステムです。雨の日の路面や砂利の浮いたコーナー出口など、ヒヤッとする場面でライダーを守ってくれます。実際に濡れた路面でテストした試乗インプレでは「スリップモーションを程よく抑制してくれるので非常にナチュラルな感触」と評価されており、作動が唐突でないのが好印象です。
2つ目が5インチフルカラーTFTメーターです。速度、回転数、燃料残量といった基本情報に加え、HSTC作動状況やトリップ情報も視認性の高い大型ディスプレイで確認できます。日差しの強い屋外でも視認しやすく、情報量の豊富さは実用面で直結します。
3つ目がHonda RoadSync(スマートフォン連携)です。スマートフォンとBluetoothで接続することで、ハンドルのセレクトスイッチや別売りのヘッドセット越しの音声入力により、音楽再生・ナビゲーション・電話の着信対応が走行中にできるようになりました。スマホを都度操作する必要がなくなるため、走行中の安全性が上がります。これは便利ですね。
これらの装備を2024年モデル以前のCBR400Rに後付けで揃えようとすると、個別に社外品を組み合わせる必要があり、費用と手間がかかります。標準装備という形でまとめて搭載されている現行モデルの完成度は、同クラスの中でも突出しています。
モーターサイクリスト「CBR400R変更!トラコンで走りやすく、スマホ連携で便利に」——2024年モデルの新装備詳細解説
CBR400Rを購入検討する際、必ずといっていいほど候補に挙がるのがKawasaki Ninja400とYamaha YZF-R3の2台です。それぞれ異なる個性を持っているため、自分の使い方に合った1台を選ぶポイントを整理します。
まずスペックの基本情報を整理しておきます。
| 車種 | 排気量 | 最高出力 | 車重 | タンク | 新車価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| CBR400R | 399cc | 46PS | 191kg | 17L | 約86.4万円 |
| Ninja400 | 399cc | 45PS | 167kg | 14L | 約75.9万円〜 |
| YZF-R3 | 321cc | 42PS | 169kg | 14L | 約67.9万円〜 |
重量面ではCBR400Rが191kgと最も重く、Ninja400(167kg)やYZF-R3(169kg)より約22〜24kgほど重たいです。これはほぼ2Lのペットボトル11本分の重さの差です。市街地での取り回しや駐車場での引き回しで差を感じやすい場面があります。
一方で燃料タンク容量でCBR400Rは大きなアドバンテージを持ちます。前述の通り17LタンクとリッターあたりのCBR400Rの航続距離(単純計算で530km超)は、Ninja400の約448kmと比較して大きく上回ります。長距離ツーリングが主体のライダーには燃料補給ストレスの少なさが直接メリットになります。
電子装備の充実度という観点では、2024年現在のCBR400Rが圧倒的です。HSTC(トラクションコントロール)とスマホ連携を標準で持つモデルは、この価格帯では少数派です。Ninja400やYZF-R3は価格がやや低い分、装備面では割り切りがあります。価格と装備はトレードオフが条件です。
選び方の目安をまとめると次の通りです。
- CBR400Rが向いている人:長距離ツーリングを楽しみたい/電子装備の充実を重視する/燃費コストを抑えたい/ホンダの信頼性と品質感を好む
- Ninja400が向いている人:軽くて取り回しやすいバイクがほしい/コスパを優先したい/高回転まで回して峠を楽しみたい
- YZF-R3が向いている人:価格を抑えてフルカウルを楽しみたい/海外でのレースイベントも視野に入れている
実際にCBR400Rを日常的に使っているオーナーの声を見ていくと、高評価の声とともに正直なデメリットの指摘も浮かび上がってきます。
オーナー評価サイト(Webike調べ、583名評価)では総合満足度が5点満点中3.93点です。内訳を見ると、ルックスが4.62点と飛び抜けて高評価で、燃費・走りも4点以上をキープしています。「子供が手を振ってくるくらい見た目が映える」「見た目に惚れて購入を決めた」という声も複数あります。ルックスへの満足度が高いのは事実です。
一方で最も評価が低かった項目が積載性の2.79点です。フルカウルスポーツ車の宿命ともいえますが、リアシート座面が狭くシートバッグが固定しにくい構造になっています。テールカウル内にETC車載器+αが入る小さなスペースはあるものの、荷物を本格的に積むにはリアキャリアやパニアケースなどの後付けパーツが実質必須です。
カスタムパーツの少なさもオーナーが共通して挙げるデメリットです。Ninja400やZ400に比べてアフターパーツの選択肢が少なく、「自分好みに仕上げたい」というカスタム志向が強いライダーには物足りない場合があります。
維持費については、国産400cc車として同クラスと大きな差はありません。2年ごとの車検(任意保険・自賠責・重量税込みで概算4〜6万円台)、オイル交換など消耗品の費用は他の400ccクラスと同等水準です。年間3,000km走行を想定した場合の燃料費は、実燃費30km/Lとリッター170円で計算すると約17,000円程度です。同クラスで燃費が悪いバイクと比べると、年間数千円規模のコスト差が出ます。
高速走行時の振動については、「120km/hを超えた領域では手が痺れる」という声があります。法定速度内(100km/h以下)での使用であれば「振動は気にする必要なし」というオーナーが多数派ですが、100km/h超の速度域が頻繁に発生する使い方をする場合は、バーエンドウエイトの交換やグリップ変更を検討するとよいでしょう。振動対策を先に行うのが条件です。
Webike「オーナーが語る!CBR400Rってぶっちゃけどうなのよ!?」——複数のオーナーによる実使用レビューまとめ

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