

高速道路を走れるスクーターに乗っているつもりが、実は125ccより年間1万円以上の余分な出費が発生しているライダーが続出しています。
PCX160の核心は、ホンダが独自開発した「eSP+(Enhanced Smart Power Plus)」エンジンです。156ccの排気量から最高出力15.8PS/8,500rpm、最大トルク15N・m/6,500rpmを発生させます。先代のPCX150と比較して、バルブ数が2バルブから4バルブへと刷新された点が特に大きい変更です。
4バルブ化の恩恵はシンプルで、高回転域まで吸排気効率が落ちないため、エンジンがストレスなく吹け上がります。スロットルを開けると、7,000回転を超えてからも勢いが衰えず速度がグングン伸びる感覚は、2バルブ時代のPCX150にはなかったものです。これが実際に高速道路を走ったときの余裕感に直結しています。
街中での発進加速も印象的です。信号待ちからスロットルを少し開けるだけで、前の乗用車をスムーズにリードできます。つまり余裕のある走りができるということです。エンジンの吹け上がりはワイルドな印象もありますが、振動のレベルは不快ではなく、ラバーマウントのハンドルを採用しているため手に伝わる微振動も効果的に抑えられています。
シート高764mmという数値は、スクーターとしてやや高めの設定です。身長170cm前後だとつま先立ちになるオーナーも珍しくなく、信号待ちでのバランスに不安を感じる方もいます。ただし、シートの絞り込み形状が工夫されており、足を下ろす際に太ももが引っかかりにくい設計になっているため、数値ほど足つきが悪く感じない、というのが多くのオーナーの声です。
| スペック項目 | データ |
|---|---|
| 排気量 | 156cc(水冷4スト SOHC 4バルブ単気筒)|
| 最高出力 | 15.8PS(12kW)/ 8,500rpm |
| 最大トルク | 15N・m(1.5kgf・m)/ 6,500rpm |
| シート高 | 764mm |
| 車両重量 | 134kg |
| 燃料タンク | 8.1L |
ホンダ公式のPCX160スペック詳細はこちら。エンジン型式や寸法など購入前の確認に役立ちます。
「PCX160で高速道路を走れる」という事実は多くのライダーが知っています。しかし「快適に巡航できる速度帯はどこか」という具体的な情報は案外知られていません。実走データによると、PCX160が最も快適かつ安定して走れるのは時速80〜100km/h帯です。
メーター読みで120km/hの表示になるシーンもありますが、GPS実測では実際の速度は112〜115km/h程度です。これはバイクのスピードメーターには法定上の誤差が認められており、実速度より少し高めに表示される「ハッピーメーター」と呼ばれる現象によるものです。最高速は実測で117km/h前後が限界ラインとされており、新東名高速の120km/h区間の追い越し車線をリードし続けるにはパワーがギリギリです。走行車線をのんびり巡航するのが、このバイクの正しい高速の使い方といえるでしょう。
実燃費については、一般道中心で37〜42km/L、高速道路メインのツーリングで33〜40km/Lというデータが複数の実走レポートで確認できます。最も燃費が悪くなるのは高速全開巡航時で、この条件でも23km/L程度は確保できます。WMTCモードの公称値44.9km/Lという数字はやや理想的な条件でのものですが、日常的な街乗りで40km/L前後を狙うのは現実的です。
燃料タンクは8.1Lなので、40km/Lで計算すると航続距離は約324km。これはコンビニ間が少ない山間ルートでも安心して走れる数字です。東京〜静岡間がおよそ200km弱であることを考えると、片道を給油なしで走りきれる計算になります。結論は「実用的な航続距離を誇るバイク」といえます。
高速走行時の快適性を左右する弱点として、純正ショートスクリーンによる風圧があります。時速80km以上になると胸から顔にかけてまともに走行風が当たり、特に長距離では首や肩の疲労が蓄積します。この問題は、ホンダ純正の「ボディマウントシールド」や社外ロングスクリーンへの交換で大幅に改善できます。高速ツーリングを想定しているなら、スクリーン交換は先に検討したいカスタムです。
高速道路での燃費・巡航性能についての詳しいデータはこちら。実走レポートに基づいた詳細な記録が参考になります。
autoby.jp|PCX160通勤インプレ|1カ月間800km試乗レポート
PCX160はオーナー満足度がウェビック調べで5点満点中4.36という高評価を誇る優等生バイクです。しかし購入後に後悔しないために、実際のオーナーが指摘するデメリットも正直に整理しておく必要があります。
まず多くのオーナーが口にするのが、リアサスペンションの硬さによる乗り心地への不満です。路面のギャップやマンホール、継ぎ目などの衝撃がシートを通じてダイレクトに伝わりやすく、特に腰への負担を感じるという声が複数確認できます。走行距離が伸びるにつれ多少緩和されるという報告もありますが、根本的な解決策としては社外リアサスペンションへの交換が有効です。KYBやYSSといったメーカーから1万〜3万円台の対応製品が販売されています。
次に、シート形状による長時間走行時のお尻の痛みです。シートの幅が比較的狭く、100km以上の連続走行になるとお尻が痛くなり始めるというレビューが目立ちます。ゲルザブや専用シートクッションを取り付けることで改善できます。1,000〜5,000円台で購入できるゲルタイプクッションはコスパが高く、多くのPCX160オーナーが導入しています。
価格面については2025年モデルで本体価格が46万2,000円(税込)となっており、125ccのPCX(37万9,500円)と比較すると約8万円の差があります。軽二輪クラスの登録費用や任意保険の単独加入も考慮すると、購入時の初期費用の差はさらに広がります。高速道路が使えるメリットと照らし合わせて判断する必要があります。
最後に2025年モデルから新たに注意が必要になった点が、社外マフラーへの交換が実質不可になったことです。2024年12月開始のOBD-2(車載式自己診断装置)法規への対応のため、マフラー口元ナットに改造防止ナットが採用されました。カスタムでマフラーを変える予定があった方には大きなデメリットです。これは原則として変更できません。
「PCX160か、それとも125ccのPCXか」という選択で最後に壁になるのが維持費の問題です。ここを具体的な数字で比較しておきましょう。
税金面では、軽自動車税がPCX125の2,400円/年に対し、PCX160は3,600円/年です。重量税はPCX125が非課税なのに対し、PCX160は届出時に4,900円が発生します。自賠責保険料(24ヶ月)の差は数百円程度でほぼ同じです。税金と自賠責だけでみると、年間数千円の差に収まります。
一番大きな差が出るのは任意保険です。PCX125(原付二種)は自動車保険に「ファミリーバイク特約」を追加できるため、年間1万円前後の追加保険料で済むケースが多いです。一方のPCX160(軽二輪)は単独でのバイク保険加入が必要で、年間2〜4万円が相場です。条件によっては差が年間2〜3万円以上になることもあります。
それでもこの差を「高速道路が使えるかどうか」の対価として考えると、見方が変わります。通勤・街乗りのみで高速道路を使わないなら125ccの方が間違いなくコスパが高いです。一方で「週末に高速を使って遠くへ行きたい」「雨や渋滞時に高速で帰れる選択肢を持ちたい」というライダーには、PCX160への投資は十分に合理的です。コストを含めた結論は「用途次第で選ぶ」が原則です。
実際の保険料シミュレーションについては、こちらのページで排気量ごとの目安を確認できます。PCXの維持費計算の参考にしてください。
走行性能や燃費・コストの話が中心になりがちなPCX160ですが、実は日常の使い勝手における装備の充実度も、このバイクを選ぶ強い理由になります。特にライバルのNMAX155やXフォースと比較したときに、「細かなところで上をいく」という印象を持つオーナーが多いのです。
スマートキーシステムはその代表格です。キーをジャケットのポケットに入れたまま、ハンドル左側のボタンでエンジン始動とシートオープンができます。雨の日に濡れた手袋をしたまま鍵穴を探す手間がなく、シートを開けてヘルメットをしまう動作がワンボタンで完結します。一度使うと手放せないと言われる機能で、これを知ると鍵式に戻れません。
シート下収納は容量30Lで、フルフェイスヘルメットが1個入り、さらにグローブやレインウェアを詰め込む余裕があります。さらにハンドル前方のフロントインナーボックスにはUSB Type-C端子が標準装備されており、走行中にスマートフォンを充電できます。蓋付きの防水設計なので雨天時でも安心です。スマホのナビを常時起動させながらツーリングができるのは実際に便利です。
安全装備については、ABSとHSTC(Honda Selectable Torque Control=トラクションコントロール)が2021年モデルから標準装備されています。HSTCは前後輪の速度差を常時監視し、後輪が空転しそうになるとエンジン出力を自動制御します。雨の日の濡れたマンホールや、工事現場近くの砂浮き路面など、予期せぬ滑りを防いでくれる仕組みです。これが条件です。これにより、ライダーが気づく前にバイクが介入してくれるため、特に初心者から中級者にかけて安心感が大きく向上します。
フロントホイールが14インチ、リアが13インチという異径ホイールも、直進安定性への貢献が大きいポイントです。ホイール径が大きいほどジャイロ効果が強く働き、速度が上がるほど真っ直ぐ走ろうとする力が増します。ライバルのNMAX155がフロント13インチなのと比べ、PCX160は高速走行での安定感で一歩リードしています。これは使えそうです。
PCX160の安全装備や収納についての詳細は、ウェビックのオーナーレビューも参考になります。実際に乗っているオーナーのリアルな声が集まっています。
ウェビック|オーナーが語るPCX160ぶっちゃけレビューまとめ

キタコ(KITACO) 電源取り出しハーネス (ホンダ タイプ5) X-ADV(RC95) PCX125(JK05-1000001~1199999) PCX160(KF47-1000001~1199999) 756-9000140