

外装部品が生産終了しているので、タンクを1個壊すと6万円以上の出費になります。
GSX250S KATANAが誕生した1991年という時代を理解することで、このバイクの価値がぐっと深まります。当時の日本では「大型自動二輪免許」という制度が現在とは異なり、400cc超に乗るには試験場での実技試験を突破する「限定解除」が必要でした。合格率は数パーセントという狭き門で、GSX1100Sカタナに憧れていても、実際に乗れるライダーは一握りに過ぎなかったのです。
そこでスズキが打ち出したのが、「カタナのデザインをそのまま250ccに落とし込む」という一大プロジェクトでした。つまり単純な排気量違いではありません。GSX1100Sのシルエットをバランスを崩さずに縮小再現するために、フロントカウルやチンスポイラーなどを一部1100と共通部品としつつ、ヘッドライトを小型化するなど専用設計を徹底しました。これが普通の「小型化バイク」ではない証拠です。
エンジンはバンディット250系の水冷4ストローク直列4気筒DOHCをベースに、サイドドラフトキャブ、専用カム、空冷風ヘッドフィンなど専用チューニングを施して搭載しています。最高出力40ps/13,500rpm、最大トルク2.7kgf・m/10,000rpmというスペックは、当時の250ccクラスとして十分な性能です。
乾燥重量はわずか160kgと軽量で、シート高750mmという低さも魅力です。ソファのように幅広いシートとタンデムシートの作りも評判が良く、ツーリングにも対応できる作りになっています。発売当時の本体価格は56万5,000円(税抜き)でした。これがこの時代のスズキの本気でした。
1999年にラインナップを終了するまで、約9年間にわたって生産・販売が続けられ、姉妹車GSX400Sカタナとともに多くのライダーの夢を叶えてきました。製造終了から25年以上が経った現在も「250ccなのに貫禄がある」として根強いファンを持ち続けているのは、このような設計思想のたまものと言えるでしょう。
参考リンク:GSX250SSカタナの基本情報・製造期間・主要スペックが確認できます。
スペック表を見るだけでは伝わらない、実際に乗った感覚こそがGSX250Sカタナの真の姿です。最初にまたがったライダーが一様に驚くのは「250ccなのに1100刀と同じ雰囲気がある」という視覚的な存在感です。ハンドルが若干遠めで、乗車姿勢も1100刀に近いスポーツポジションになります。
エンジンの特性は「トルク型」に振られており、発進から7,000〜8,000rpmにかけての中間加速が非常に扱いやすいのが特徴です。1万5,500rpmからレッドゾーンに入りますが、実際の走りでは1万rpmを目安にシフトアップし、厚みのあるトルクを活かして走るスタイルが最も気持ちよい乗り方とされています。現代の250ccにはない「回るエンジン」の楽しさです。
高速道路では6速巡行時に同系のバンディット250より500rpm低い回転数で走れるため、振動・騒音ともに少なく、長距離でも疲れにくいと評価されています。直進安定性も高く、小ぶりなミニカウルでも前傾姿勢を意識すれば風圧の負担が減り、高速巡行は十分に快適です。
ワインディングでは140/70-17という太いリヤタイヤが安定した旋回を実現し、軽量な車体と相まって「スパッスパッ」と思い通りに切り返せる軽快さがあります。ステップが削れるほどのバンク角が取れる点も、スポーツ走行派に支持される理由です。
一方で、正直にデメリットも押さえておく必要があります。4,000〜5,000rpm付近でエンジンから振動が手に伝わりやすく、長時間の高速走行では手のひらへの負担があります。フロントフォークの追従性やサスペンションの柔らかさも「最新バイク基準」で見ると古さを感じる場面があります。これが旧車の「味」でもあります。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| エンジン | 水冷4ストDOHC直列4気筒 248cc |
| 最高出力 | 40ps / 13,500rpm |
| 最大トルク | 2.7kgf・m / 10,000rpm |
| 乾燥重量 | 160kg |
| シート高 | 750mm |
| 燃料タンク | 17L |
| タイヤ(前) | 110/70-17 |
| タイヤ(後) | 140/70-17 |
| 製造期間 | 1991年〜1999年 |
参考リンク:試乗インプレッションと各部のエンジン・走行性能の解説があります。
4気筒250ccの咆哮!! スズキ GSX250Sカタナの試乗インプレッション - ヤングマシン
GSX250Sカタナは1999年に生産終了しており、市場に流通するのはすべて中古車です。旧車を買う際の鉄則は「外装の程度」と「エンジンの健康状態」の両方を厳しく見ることです。これが基本です。
まず外装については、パーツ代が驚くほど高いことを認識してください。純正フロントスクリーンが新品で約19,000円、カウル半分で約26,000円、生産中止になったタンクは60,000円以上、シートは約35,000円、メーターは新品で36,000円前後(すでに生産終了の可能性大)となっています。外装を一式揃えようとすると、軽く20万円を超えてしまいます。「外装が傷んでいるから安い」という個体を選ぶと、結果的に割高になるケースが多いのです。
エンジン関連では、燃費を必ず事前確認することをおすすめします。通常は30km/L前後の燃費が出るはずですが、状態の悪い個体では750ccバイク並みの燃費(7〜8km/L程度)になることがあります。キャブレターとイグナイターに「当たりはずれ」があり、ハズレを引くと修理に多額の費用がかかります。
特に注意が必要な部位をまとめます。
車検不要の250ccという性質上、前のオーナーが「乗りっぱなし」でメンテナンスをほぼしていない個体が多いのも現実です。250ccは車検制度の対象外なので定期的なプロ点検が義務づけられていないからです。これが痛いところです。購入後すぐにバイクショップで全体的な点検・消耗品交換を依頼することを前提に、予算を組んでおくと安心です。
参考リンク:GSX250Sカタナを2台購入した経験者による、具体的な注意点と部品価格の情報があります。
GSX250Sカタナを2台購入した経験から - ライブドアブログ
GSX250Sカタナの中古相場は、ここ数年で明らかに上昇傾向にあります。2019年にスズキが新型KATANA(GSX-S1000S)を発売したことで歴代カタナ全体が再注目を浴び、その後コロナ禍による旧車人気の高まりも重なりました。2021年1月から10月時点では50万円以下の個体も多く存在していましたが、その後は平均中古価格が上昇し、グーバイクでの平均取引価格は53万円前後にまで上がっています。
現状の市場では、車両価格は以下のような幅があります。
「安い」と思って程度の悪い個体を購入し、その後の整備・部品交換で費用がかさむケースが後を絶ちません。特に外装を綺麗に保とうとすると、前述のとおりパーツ代だけで20万円以上かかることがあります。つまり「30万円の個体を買って20万円かけて直す」より「最初から50万円の良個体を買う」方が結果的に安く済むことも多いのです。
250ccバイクの年間維持費の目安として、軽自動車税(年間2,400円)・自賠責保険(24ヶ月約9,270円程度)・任意保険(年間2〜5万円程度)・ガソリン代・消耗品(タイヤ・チェーン・オイルなど)を合計すると、年間10〜20万円程度が一般的です。400cc以上と比べて車検費用が不要な分、維持コストは低く抑えられます。これはメリットです。
一方で旧車特有の維持リスクとして、純正部品の在庫が流通在庫のみとなっている点は見逃せません。コロナ禍以降、純正部品の在庫が一気に減少しているという現場からの声もあります。「まだ中古部品が手に入る今のうちに買う」というのが、カタナ250に乗り続けるオーナーたちの共通認識になっています。
参考リンク:GSX250Sカタナを含むカタナシリーズ各モデルの中古価格動向・買い時について詳しく解説されています。
GSX250Sカタナの魅力のひとつに、「カスタムの自由度」があります。もともと旧車好き・カスタム志向のライダーから人気が高く、純正に近いノーマル状態を維持するオーナーと、大胆にカスタムを楽しむオーナーとで二極化しているのが面白い点です。カスタムか純正かで乗り方が変わります。
マフラー交換は最も手軽で効果的なカスタムとして人気があります。ヤマモトレーシングの「SPEC-Aマフラー」は新品購入できる社外マフラーとして人気が高く、250ccの並列4気筒らしい高回転サウンドを引き出すチューニングとして定評があります。音の変化だけでなく、軽量化にも寄与します。
キャブレターのFCR(ファンネルキャブレター)交換も人気の定番カスタムです。KEIHINやヨシムラ、JBパワーといったブランドが定番で、セッティングが合えば低速レスポンスが大幅に向上します。ただしキャブセッティングには知識と経験が必要で、慣れていない場合は専門ショップへの依頼を前提にした方が確実です。
ここで見落とされがちな「カスタムの落とし穴」があります。GSX250Sカタナはカスタムベースとして人気が高いため、市場に出回る個体の多くが何らかのカスタムを受けています。純正外装の個体は逆に希少で高値がつく傾向があります。カスタム車は見た目が格好よくても、純正に戻すための部品代が高額になることがあり、転売・売却時の査定額に影響することも忘れないでください。
また、250ccという排気量ならではの楽しみ方として「ツーリング域でのエンジンを回す快感」があります。600〜1000ccのバイクは法定速度域では持てる性能の数パーセントしか使いきれませんが、GSX250Sカタナは峠道や一般道でも「エンジンを積極的に使う走り」ができます。レッドゾーン手前までエンジンを回してシフトチェンジする体験は、現代の大排気量バイクにはない「バイク本来の楽しさ」です。これこそが旧車250cc直4の醍醐味です。
旧車としての楽しみ方には覚悟も必要です。普段から簡単なメンテナンスができる環境(信頼できるバイクショップ、または自分でいじれるスキル)を持っておくことが、長く楽しく乗り続けるための最大の条件と言えます。
参考リンク:GSX250Sカタナの社外マフラーの種類・排気音まとめが掲載されています。
GSX250S カタナ(GJ76A)おすすめ社外マフラー&排気音まとめ - motofan-r

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