

bear 650の車体はINT650ベースながら、構成部品の約3分の2が新設計という驚きの事実があります。それなのにINT650比でわずか「+約2万円」という価格設定で日本市場に投入されたため、知っている人だけが得をしているモデルです。
ベア650の心臓部は、空冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒、排気量648ccのエンジンです。最高出力は34.9kW(47ps)を7,150rpmで発生し、最大トルクは56.5Nm(約5.76kgf·m)を5,150rpmで発揮します。
注目すべき点は、同シリーズのINT650が最大トルク52.3Nm(5,650rpm)なのに対し、ベア650は5,150rpmというより低い回転域でより高い56.5Nmを発生させているということです。これはエンジンマッピングの刷新と、シリーズ初となる2-in-1マフラーの採用によって実現しました。差分は約4.2Nmで、これはちょうどペットボトル1本(500ml)を腕いっぱいに伸ばして持ったときの力に近い感覚と言えます。
つまり、低い回転数からグイッと前に出るトルク特性ということですね。
このエンジンが採用する270度クランクは、ホンダやKTMのVツインに近い爆発間隔を生み出します。1発目の爆発から270度後に2発目が来るため、等間隔爆発の360度クランクよりも不規則なリズムを刻みます。エンジン単体で聞くと「ドコドコ」という鼓動感があり、ライダーが走りを体感しやすい設計になっています。加速感が磨かれているというインプレッションが多いのも、このエンジン特性が理由です。
ボア×ストロークは78mm×67.8mm、圧縮比は9.5:1。燃料供給はEFI(電子制御燃料噴射)を採用し、デジタル点火を組み合わせることで、冷間始動時の扱いやすさも確保されています。エンジン外観はブラックアウト仕上げで、シリンダーヘッド部分のみシルバーというコントラストが精悍さを演出します。
ベア650の車体スペックを見ていくと、スクランブラーとして必要な要素がしっかり盛り込まれていることがわかります。まず大前提として、INT650との比較は欠かせません。
フレームはスチール製ダブルクレードルフレームをベースに、ステアリングヘッド周辺に専用ガセット(補強板)を追加しています。倒立フォーク採用に伴うフロントからの入力が増えるためで、フレーム前側の剛性を意図的に高めた設計です。さらにシート下のリアフレームパイプを左右で連結する補強も追加されており、パニアケースなど重い積載物を搭載したツーリング時の安定性も向上しています。
フロントサスペンションはSHOWA製SFF-BP(セパレートファンクション・ビッグピストン)倒立フォークで、インナーチューブ径は43mm。ストロークは130mmで、INT650(110mm)比で実に20mmも長くなっています。リアはSHOWA製ツインショックで、ストローク115mm(INT650比27mm増)、プリロードのみ5段階で調整可能です。フロント130mmというストロークは、ちょうどA4コピー用紙の短辺(210mm)の約3分の2にあたる長さです。
ブレーキシステムはByBre製で、フロントに直径320mmの2ポットキャリパー付きシングルディスク、リアに270mmのシングルピストンキャリパー付きシングルディスクを装備します。デュアルチャンネルABSが標準装備で、リアのABSのみスイッチひとつでオフにできる機能が付いています。これが条件です。
| 項目 | ベア650 | INT650 |
|---|---|---|
| フロントフォーク | 43mm倒立 | 41mm正立 |
| フロントストローク | 130mm | 110mm |
| リアストローク | 115mm | 88mm |
| フロントホイール | 19インチ | 18インチ |
| リアホイール | 17インチ | 18インチ |
| リアブレーキ径 | 270mm | 240mm |
参考:ロイヤルエンフィールドジャパン公式によるベア650の日本仕様スペック詳細
Royal Enfield Japan|ロイヤルエンフィールド ジャパン|BEAR 650
ベア650のスペックの中で、購入前に最も確認しておきたいのが車体寸法です。それが購入後の後悔防止につながります。
全長は2,216mm(日本仕様)、全幅855mm、全高1,160mm、ホイールベース1,460mmです。日本仕様の全長はプレスリリースの海外スペック(2,180mm)より若干長めとなっており、ミラー込みの数値が反映されている可能性があります。最低地上高は184mmで、これは日常的に乗る道路段差(一般的な縁石の高さ約15cm)をゆとりをもってクリアできるレベルです。
重量は214kgで(日本仕様・乾燥重量に近い値)、満タン時は約216kg前後になります。650ccのパラレルツインとしては決して軽くはなく、アドベンチャーバイクに近い重さです。
そして特に注意が必要なのがシート高830mmです。これはベア650がシリーズ中最も高いシート高を持つモデルであることを意味します。身長170cm・体重65kgの試乗者のレポートでは、片足のかかとが少し浮く程度とされています。目安として、内股高(股下)が75cm以上ある方は比較的スムーズに乗り降りできるとされていますが、70cm前後の方は購入前に必ずディーラーで跨ってみることを強くおすすめします。
燃料タンク容量は13.7L(日本仕様)。公称燃費は22km/L(国内某メディアのロングツーリングレポートによると、約500kmで26.7km/Lを記録したケースもあり)。単純計算でタンク1杯で最大300km以上の航続が見込めます。
ベア650を「ガチなオフロードバイク」だと思って購入すると、実際の性能とのギャップに驚くことがあります。これは知らないと損する情報です。
フロント19インチ/リア17インチというホイール構成は、スクランブラーらしいルックスを作り出しています。しかし本格的なアドベンチャーバイクや、本気のオフロードユースに使われる車両の多くが21インチのフロントホイールを採用しているという現実があります。19インチでは砂地や深い轍でのコントロールに限界があり、本格的な林道ライディングでは「もう一歩」という場面が生まれます。
意外ですね。
ただし、ここで重要なのはベア650が本来目指しているカテゴリーです。開発コンセプトは1960年代のアメリカ・カリフォルニアのデザートレース(砂漠のダート路)を走ったスクランブラーへのオマージュであり、現代流の「舗装路8割・ダート2割」というライフスタイルに最適化されたバイクです。MRF製デュアルパーパスタイヤ(100/90-19前、140/80R17後)は軽い林道程度なら問題なく走行でき、地上高184mmと前後合計245mmのサスペンションストロークが路面の凸凹を吸収します。ABS付きながらリアのABSはOFF可能で、ダート走行中に後輪をコントロールしたい場面でも対応できます。
舗装路でのハンドリングはむしろ好評で、26.1度のキャスター角と19インチの組み合わせが「大らかで曲がりやすい」という印象を生んでいます。同シリーズのクルーザー系(スーパーメテオ650)に近いトレール値を持つため、ふらつきにくく安心感があります。本格オフロードを楽しみたいなら、別途アドベンチャーモデルと用途を分けることが条件です。
参考:試乗インプレッションに基づくスペック比較(bikebros掲載)
【ロイヤルエンフィールド ベア650試乗記】シリーズ最強のエンジンと前後サス採用でスポーツ性能を大幅に向上!
ベア650が持つ最大の隠れメリットを知らずに、INT650を選んでしまっているライダーが少なくありません。価格差とスペック差を数字で比較すると、その事実が浮かび上がります。
日本での2026年モデル価格は以下の通りです。
| カラー | 価格(税込) |
|---|---|
| Boardwalk White(ベース) | 104万1,700円 |
| Petrol Green / Wild Honey / Golden Shadow | 105万1,600円 |
| Two Four Nine(プレミアム) | 106万8,100円 |
INT650の日本価格は約85〜90万円台であることと比較すると、差額は15万〜20万円程度です。ところが、ベア650で追加されたスペックを単品で揃えるとしたら、SHOWA製倒立フォーク(社外品で8〜12万円)、TFTカラーメーター+スマホ連携(3〜5万円)、デュアルパーパスタイヤ(2〜3万円)、フレーム補強加工(5万円〜)と考えると、ほぼ価格差を使い果たすか、超えてしまいます。これは使えそうです。
また、全照明のLED化やリアABSオフ機能、Google Maps対応トリッパーダッシュ(4インチTFTカラー液晶)といった装備もINT650には存在しない追加要素です。カラーは全5色で、ビッグベアランでEddie Mulderが使ったゼッケン「249」を冠したTwo Four Nineカラーが最上位仕様となっています。
結論はコストパフォーマンスに優れた1台ということです。「スクランブラーはデザインだけで走らない」という先入観があるライダーほど、試乗してみると走りの印象が覆されるというレポートが国内外に多数あります。スタイル重視と走り重視、どちらを求めるライダーにも応えられるスペックを持つことが、ベア650の最大の特長と言えます。
参考:carviewに掲載のプロライダー試乗によるスペック・走り評価記事
人気の大型スクランブラー 予想外の万能性を秘めた「ベア650」はクルーザー系の乗り心地も備えていた(carview)

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