

クルーザーバイクは低速トルクで流すもの、と思って乗ると後悔する333万円の罠があります。
xディアベル v4 は、2025年2月に発表されたドゥカティの本格スポーツクルーザーです。初代Xディアベルが2016年にVツイン(Lツイン)エンジンで登場してから約9年、ついにV型4気筒エンジンへとフルモデルチェンジを遂げました。
エンジンは「V4グランツーリスモ」と名付けられた排気量1158cc・水冷DOHC4バルブ・90度V型4気筒です。最高出力は168ps(10,750rpm)、最大トルクは12.8kgm(7,500rpm)を発揮します。前モデルのXディアベル1260と比較すると最高出力が8ps向上しており、数値だけでなく体感的なパワーフィールも大きく変わっています。
車両重量は229kg(燃料を除く装備重量)で、前モデルより6kg軽量化されています。これはスポーツモデルと同水準の軽さです。ホイールベースは1,620mmとロングホイールベースを維持しながらも、重心を低く設計することで取り回しに優れた設計になっています。
シート高は前モデル(Xディアベル1260)より35mm高い770mmとなっています。これは逆効果に聞こえるかもしれませんが、後述するようにV4化に伴うシート周辺の絞り込みにより、実際の足つき性は大幅に改善されています。
日本国内での価格は以下の通りです。
| カラー | 税込価格 |
|---|---|
| 🔴 バーニング・レッド | 333万5,000円 |
| ⚫ ブラック・ラヴァ | 336万9,000円 |
販売開始は2025年10月4日より全国ドゥカティ正規販売店でスタートしました。スペックをまとめると、1台でスーパースポーツとグランドツーリスモの両方を兼ね備えた贅沢な仕上がりです。
参考:ドゥカティ公式サイト「XDiavel V4」技術スペック・価格情報
https://www.ducati.com/jp/ja/bikes/xdiavel/xdiavel-v4
xディアベル v4 の走りを語るうえで外せないのが、V4グランツーリスモエンジンのパワーフィールです。これはパニガーレV4やストリートファイターV4に搭載される「デスモセディチ・ストラダーレ」から派生したエンジンで、クルーザー向けにボアを2mm拡大(83mm)して中速域を強化した特別なチューニングが施されています。
走り始めに驚くのはその軽快さです。複数の試乗インプレッションでは「声が出るほど軽い」という表現が共通して登場します。見た目のマッチョなボリューム感からは想像できないハンドリングで、タイトなヘアピンカーブでも240mmという極太リアタイヤや1,620mmのロングホイールベースをまったく感じさせないと評されています。
ここで重要な技術が「カウンター・ローテーティング・クランクシャフト」です。これはMotoGPマシン由来の機構で、クランクシャフトをホイールとは逆方向に回転させることでジャイロ効果を相殺します。結果として、切り返し時の俊敏性が大幅に向上し、加速時のウィリーやブレーキ時のホッピングも抑制されます。クルーザーにこの技術が使われているのは、他にはない独自のアプローチです。
スポーツモードでの0〜100km/h加速は3秒未満。これはスーパースポーツ「パニガーレV4」と同等以上のクラスに肉薄する性能であり、クルーザーの常識を根本から覆す数字です。
一方でエンジンは4,000rpm以上まで回した方がバランスが取れる特性を持ちます。他のクルーザーのように低回転でドコドコと流すのは得意ではない側面もあり、この点は購入前に把握しておくべきポイントです。低速でトルクをゆったり使うクルーザー的な走り方を期待すると、拍子抜けするかもしれません。
参考:Web CG「ドゥカティXディアベルV4(6MT)スポーティーにも優雅にも」試乗インプレ
xディアベル v4 の特徴的な技術として、「シリンダー・デアクティベーション」があります。これは低回転・低負荷時に後方2気筒を自動休止させ、前方2気筒のみで走行する機能です。つまり信号待ちや低速走行時には事実上、2気筒バイクとして動作します。
シリンダー休止が働いているときは周波数の低い重厚なサウンドが響き、4気筒がすべて稼働するとより高音で刺激的なエキゾーストノートに切り替わります。この切り替わりは走行中に体感するとほぼ気づかないほど滑らかで、エンジニアリングの精緻さを感じさせます。燃費向上と鼓動感の両立を実現した、一粒で二度おいしい機能です。
| モード | 特性 | おすすめシーン |
|---|---|---|
| 🏁 スポーツ | 最大パワー・鋭いレスポンス | ワインディング・サーキット走行 |
| 🛣️ ツーリング | 高速走行向けに最適化 | 高速道路・長距離ツーリング |
| 🏙️ アーバン | 扱いやすさ重視・低速に強い | 市街地・一般道 |
| 🌧️ ウェット | 電子制御介入多め・穏やかな出力 | 雨天・路面が不安定な状況 |
注意が必要なのはツーリングモードです。試乗インプレッションでは、50〜60km/hの一般道でツーリングモードを使うと3速に入れてもエンジン回転が3,000rpm以下になりノッキング気味になることが報告されています。このモードは高速道路走行に最適化されているため、市街地ではアーバンモードへの切り替えが基本です。
電子制御の内容も充実しています。標準装備として、コーナリング対応のトラクションコントロール(DTC)、ウィリーコントロール(DWC)、ABSコーナリング対応、パワーローンチ、クイックシフトアップ/ダウン2.0、クルーズコントロール、ハンズフリーシステムが含まれます。6.9インチのTFTカラーディスプレイからすべての設定を管理できる点も使い勝手に優れています。
「クルーザーなのにシート高770mmは高すぎる」。購入検討者がまず抱く不安がこれです。しかし実態は異なります。
ドゥカティはV4化に伴いシート幅を絞り込む設計を採用しました。シート周辺から足元にかけての幅が先代より大幅に細くなったことで、足を下ろしたときに股が広がりにくくなっています。身長160cmで短足の評者でも「またがった瞬間に不安が払拭された」とのレポートがあり、つま先であれば両足が届くことが確認されています。
ライディングポジションは足を前方に投げ出す「フィートフォワード」スタイルが標準です。ハンドルは前モデルより20mm低く14mm手前に設定されており、よりリラックスしたポジションが得られます。ただし、身長165cm以下の場合は足が完全に伸びきる可能性があります。この場合はオプションの「ミッドフットペグキット」への交換が有効で、ステップを約2cm後方に移動してより自然なポジションを確保できます。
パッセンジャー側の快適性も大きく改善されました。シートフォーム材の厚みが58mm増加し、シート幅は30%拡大、奥行きは50%延長されています。タンデムツーリングの機会が多いライダーには、このポイントは見落としてはいけない改善点です。
シートのクッション性が大幅に向上したことで、長時間のツーリングでも疲労が蓄積しにくくなりました。これは実用上の大きなメリットです。
333万円超の車体価格に加えて、維持費が気になるのは当然です。ドゥカティはイタリアンブランドゆえに維持費が高いというイメージが根強くあります。しかしxディアベル v4 の実際のメンテナンスサイクルは、予想より長めに設定されています。
公式サイトに記載されたメンテナンスサイクルは以下の通りです。
| メンテナンス項目 | 推奨サイクル |
|---|---|
| 🔁 年次点検(アニュアルサービス) | 12ヶ月ごと |
| 🛢️ オイルサービス | 15,000km または24ヶ月ごと |
| ⚙️ バルブクリアランス調整 | 60,000kmごと |
特に注目すべきは、バルブクリアランス調整が60,000kmごとという点です。デスモドロミックバルブシステムを採用していた旧世代のドゥカティでは15,000〜24,000km毎のバルブ調整が必要で、これが維持費の高さの元凶でした。V4グランツーリスモエンジンはバルブスプリング式に変更されており、60,000kmという業界でも長い部類のインターバルが実現しています。
燃費は公式値で6.6L/100km、つまり約15.2km/L です。20Lのタンクを満タンにすると、計算上は約300kmの航続距離となります。大型クルーザーとしては標準的な数値ですが、シリンダー休止機能によって市街地燃費の底上げが期待できます。
保証は2年間・走行距離無制限です。この無制限保証はツーリング志向のライダーには安心感があります。購入直後から積極的に走行距離を重ねても保証が切れないのは、グランドツーリスモを名乗るモデルとして理にかなっています。
なお、タイヤは前後ともピレリ製ディアブロ・ロッソ3を装着しています。特にリアタイヤは240/45ZR17という極太サイズで、市場での入手性と価格の両方を購入前に確認しておくことをおすすめします。国内での交換コストは工賃込みで5〜7万円台になるケースが多く、年間の維持費計算に組み込んでおくと安心です。
参考:ドゥカティ公式サイト「XDiavel V4」メンテナンス・保証情報
https://www.ducati.com/jp/ja/bikes/xdiavel/xdiavel-v4
参考:Web Auto by「ドゥカティ『XディアベルV4』インプレ」
https://www.autoby.jp/_ct/17778787
「ディアベルV4」と「xディアベル v4 」の違いに迷っているライダーも多いはずです。両車は同じV4グランツーリスモエンジンを搭載しますが、キャラクターは明確に異なります。これは重要な選択肢の分かれ目です。
まず車重の違いがあります。ディアベルV4は223kg、xディアベル v4 は229kgで、6kgの差があります。ディアベルV4のほうがやや軽量で、よりスポーツバイク寄りのキャラクターです。
ホイールベースとライディングポジションも異なります。xディアベル v4 はホイールベースが長く(1,620mm)、ステップをフォワードポジションとした純粋なクルーザースタイルです。一方、ディアベルV4はよりスポーティなライディングポジションを採用し、峠道での運動性能を優先した設計となっています。
シート高はxディアベルV4が770mm、ディアベルV4が780mmで、xディアベルの方が低い設定です。
選び方の目安はシンプルです。
迷ったときは必ず両車を実際にまたがって、自分の身長・体格に合うポジションを確認することが条件です。どちらも300万円超えの買い物であるため、試乗してから決断することを強くおすすめします。全国のドゥカティ正規ディーラーでは試乗サービスを実施しているところが多く、購入前の情報収集として積極的に活用してください。

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