バイク用語一覧で知るライディングとツーリングの基本

バイク用語一覧で知るライディングとツーリングの基本

バイク用語一覧で学ぶライディングとツーリングの基本

「すり抜け」は道路交通法に存在しない言葉なのに、黄色線をまたぐと違反点数2点・反則金7,000円が取られます。


この記事でわかること
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ライディング用語

エンブレ・半クラ・ニーグリップ・バンクなど、走りに直結する基本用語をわかりやすく解説します。

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すり抜け・追い越しの法律用語

「すり抜け」という言葉は道交法にない?知らないとお金と免許を失うグレーゾーンを整理します。

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ライダー文化の用語

ヤエー・ソロツー・マスツー・ケツ持ちなど、ライダーコミュニティ特有の言葉を由来とともに紹介します。


バイク用語一覧|走りを支えるライディング基本用語

バイクに乗り始めると、教習所や先輩ライダーから専門用語が飛び交う場面に必ず遭遇します。言葉の意味を正しく理解しているかどうかで、上達のスピードも安全意識も大きく変わります。まずはライディングに直接関わる重要用語を整理しましょう。

















用語 意味 ひと言ポイント
半クラ(半クラッチ クラッチを完全につなぐ手前の、エンジン動力がじわじわと伝わり始める中間状態 発進・低速操作の命綱
エンブレ(エンジンブレーキ) アクセルを戻してエンジンの抵抗で減速する制動方法 長い下り坂でブレーキ過熱を防ぐ
ニーグリップ 太ももと膝の内側でタンクを挟み込み、下半身で車体を保持すること 体幹安定の基本中の基本
バンク(バンク角 コーナリング時に車体を傾ける動作、またその角度 傾けた角度=バンク角
エンスト エンジンストールの略。意図せずエンジンが停止する現象 クラッチミスや低回転が主因
立ちごけ 停車中またはごく低速でバランスを崩して車体を倒してしまうこと 初心者・ベテラン問わず発生
アウトインアウト コーナー入口でアウト側から入り、頂点でイン側に寄り、出口でアウトに戻るライン取り 仮想的にRを大きくする技術
スローインファーストアウト コーナー手前で十分に減速し、出口に向けて加速していく基本コーナリング技術 公道走行の鉄則
ハイサイド リアタイヤが滑った後にグリップが急回復し、車体が跳ね上がって転倒する現象 最も危険な転倒パターンの一つ
ノーズダイブ 急ブレーキ時にフロントフォークが沈み込み、車体前部が大きく沈む現象 フロントブレーキのかけすぎに注意
トレイルブレーキング コーナー進入時にフロントブレーキを軽く引きずりながら旋回する上級技術 旋回半径を小さくできる
ブリッピング シフトダウン時に回転数を合わせるため、クラッチを切りながらアクセルを一瞬あおること スムーズなシフトダウンに不可欠


「半クラ」は教習所でも最初に学ぶ操作ですが、その意味を正確に言語化できる人は意外と少ないです。クラッチを完全につなぐ直前の「すべりながら動力を伝え始めている状態」がまさに半クラであり、発進時だけでなく渋滞の低速走行やUターン時にも多用します。半クラをうまく使えるかどうかで、エンストや立ちごけのリスクが大きく変わります。つまり半クラの習熟が安全運転の土台です。


「ニーグリップ」も名前は知っていても実態が曖昧になりがちな用語です。ただ膝を閉めるだけでは効果が薄く、膝・太ももの内側全体でタンクをしっかり挟み込み、体の軸を安定させることが本来の目的です。ニーグリップが正しくできると腕への不要な力みが抜け、ハンドル操作が自然になります。これが条件です。


「ハイサイド」は上級者でも恐れる転倒パターンです。リアが滑ってからアクセルを一気に戻してしまうと、突然グリップが戻って車体が跳ね上がり、ライダーが投げ出されます。知識として知っておくだけでも、リアが滑った際の反応速度が変わります。意外ですね。


参考:ライディングの基本技術と用語をヤマハが詳しく解説しています。


ヤマハ発動機 バイク用語辞典|ヤマハ バイク ブログ


バイク用語一覧|排気量にまつわる通称とクラス分けを整理

バイクの排気量を指す通称は、長い歴史の中でライダーたちが自然と使い始めたものです。これらを知らないとショップや仲間との会話でついていけない場面が出てきます。排気量クラスごとの通称を一覧で押さえておきましょう。











排気量 通称 免許区分
〜50cc ゼロハン(原付一種) 原付免許・普通免許
〜125cc ワンツーファイブ(原付二種) 普通二輪免許(小型限定)
〜250cc ニーハン 普通二輪免許
400cc ヨンヒャク 普通二輪免許
750cc ナナハン 大型二輪免許
1000cc以上 リッタークラス・リッターバイク 大型二輪免許


「ナナハン」という通称の成り立ちは面白いです。排気量750ccのうち、百の位の「7(ナナ)」と、50cc=100ccの半分という意味の「ハン(半)」を組み合わせた造語で、ホンダの開発チームが1969年発売の「CB750」の開発コードネームとして使い始めたのが由来とされています。この1台が日本のバイク文化を大きく変え、750ccという排気量の代名詞になりました。


「ニーハン」は250ccのことで、「2(ニ)」と「ハン(半=50cc×5倍という解釈)」を組み合わせたとも、100ccの2.5倍で「ニ・ハン」とも言われます。250ccクラスは車検が不要で維持費も安く、初心者から中級者まで幅広く選ばれる人気クラスです。これは使えそうです。


「ゼロハン」は50cc以下の原付一種のことで、排気量のゼロ(小数点以下)とハン(半分)から来ているという説が有力です。法定速度30km/h・二段階右折など、道路交通法上の制約が多いため、通勤・通学用途以外では不便を感じるライダーも多いです。免許区分を正しく理解してバイクを選ぶことが大切です。


参考:排気量クラスと通称の成り立ちが詳しくまとめられています。


MotoInfo(JAMA)|どれだけ知ってる?バイクの愛称をまとめてみた


バイク用語一覧|「すり抜け」は道交法にない言葉だと知ってるか

ここは特に注意が必要なポイントです。多くのライダーが日常的に使う「すり抜け」という言葉は、実は道路交通法のどこにも存在しません。それにもかかわらず、すり抜けに関連する行為で違反に問われるライダーは後を絶ちません。


道交法で規定されているのは「追い越し」と「追い抜き」という2つの概念です。追い越しは進路を変えて先行車の前に出る行為、追い抜きは進路を変えずに先行車の前に出る行為を指します。普段「すり抜け」と呼んでいる行為は、このどちらかに該当します。









すり抜けの状況 該当する違反 違反点数 反則金(二輪)
黄色・白の実線をはみ出して追い越し 追い越し禁止違反 2点 7,000円
路側帯・路肩を走行して進む 通行区分違反 2点 7,000円
信号待ちの車の間に割り込む 割り込み等違反 1点 6,000円
交差点・踏切付近での追い越し 追い越し禁止場所違反 2点 7,000円


「すり抜け」という行為そのものを取り締まる法律はないものの、そのやり方次第で上記の違反に該当します。特に「白または黄色の実線をはみ出してのすり抜け」は明確に違反です。はみ出さなければセーフ、というのが原則です。


しかし見落としがちなのが「割り込み」です。渋滞で止まっている車列の間をすり抜けて先頭に出る行為は、「割り込み等違反」として1点・反則金6,000円が科せられる可能性があります。痛いですね。交差点付近での追い越しも禁止場所での違反になるため、信号待ちのすり抜けは状況判断が非常に重要です。


また、すり抜けの最中に事故を起こした場合の過失割合も重くなります。車との接触事故でバイク側に違反行為があれば、過失割合が大幅に不利になり、修理費・医療費のすべてを賠償しなければならないケースも出てきます。バイク任意保険への加入が事実上の必須条件です。


参考:すり抜けに関する違反ケースと過失割合について詳しく解説されています。


バイクのすり抜けは危険!違反と事故のリスクについて解説|バイクライフラボ


バイク用語一覧|ツーリングに欠かせない仲間と文化の用語

バイクの楽しさはひとり旅だけではありません。仲間と走るツーリングや、道中のライダー同士のつながりを表す言葉も、バイク文化の大切な一部です。













用語 意味
ツーリング バイクで目的地を決めて走る旅のこと。距離は日帰り〜泊まりまでさまざま
ソロツー(ソロツーリング 1人でツーリングに出かけること。自分のペースで走れる自由さが魅力
マスツー(マスツーリング 複数人のライダーが集まって走るグループツーリングのこと
千鳥走行 マスツー時に、前のバイクと車線内でずれて走るジグザグ隊列。車間距離を保ちながら車列を短くできる
ケツ持ち マスツーリング時に最後尾を担うライダーのこと。遅れた仲間のフォローや後方確認が役割
ヤエー すれ違うライダー同士がピースサインや手を振って挨拶を交わすこと
ワインディング 山道や峠道のような、カーブが連続する道のこと。ライダーに人気のルート
ライポジ(ライディングポジション) バイクに乗る際の姿勢のこと。アップライト・前傾・ゆったりなどスタイルで異なる


「ヤエー」の名前の由来は特に有名で、2003年に「2ちゃんねる」のスレッドで、あるユーザーが感嘆詞「Yeah!(イェー)」を「Yaeh!」とタイプミスして投稿したことが名称の起源とされています。おかしなことですね。ただし挨拶の習慣自体は1970〜80年代の北海道ツーリングブームにまでさかのぼり、ライダー同士が「旅の安全を祈り合う」ために自然発生したものです。名前だけが後から追いついた形です。


「千鳥走行」はマスツーリングの安全を確保するうえで重要な技術です。前のバイクと同じ車線位置を走らず、車線内でやや左右にずれた位置を保ちます。例えば右側を走るバイクの斜め後ろを左側の位置で走るイメージで、全体としてジグザグ状の隊列を形成します。これにより、前方で何か起きたときに反応する時間的・空間的な余裕が生まれます。千鳥走行が基本です。


「ケツ持ち」はマスツーで最後尾を走る役割です。集団の中でも経験豊富なライダーが担うことが多く、信号で止まった際に全員が通過したかを確認したり、体調不良や機械トラブルで止まった仲間をサポートする責任ある立場です。マスツーリングに慣れてきたら積極的に担いたい役割の一つです。


参考:ヤエーの由来と意味、やり方が詳しくまとめられています。


バイクのヤエーとは?ライダー同士の挨拶について解説|バイクライフラボ


バイク用語一覧|カスタム・メンテナンス関連の用語まとめ

バイクを長く楽しむためには、カスタムとメンテナンスに関係する用語の理解も欠かせません。ショップへの相談やパーツ選びの場面で、これらの用語が飛び交います。















用語 意味
O/H(オーバーホール) エンジンやサスペンションなどを分解・清掃・摩耗部品交換し、性能を回復させる大規模整備
カウル バイクの前面や側面を覆う外装パーツ。風の抵抗低減・エンジン保護が主な目的
アンコ抜き シートのウレタンを削ってシート高を下げるカスタム。足つきを改善する目的で行う
キャブレター(キャブ) 燃料と空気を適切な比率で混合しエンジンへ送る装置。現代バイクの多くはFI(燃料噴射)に移行
FI(フューエルインジェクション 電子制御で燃料を直接噴射する現代の主流システム。キャブより始動性・燃費に優れる
ノッキング エンジン内での異常燃焼に起因する振動・異音ギア選択ミスや低回転での無理な加速でも発生
アーシング バッテリーのマイナス側の配線を強化・追加するカスタム。電気系の安定に寄与するとされる
フロントフォーク フロントタイヤ上部の左右の筒状パーツ。路面からの衝撃を吸収するサスペンションの役割を持つ
スプロケット チェーンと噛み合う歯車のこと。前後のスプロケットの歯数比を変えることで加速力や最高速を調整できる
インジェクション(FI)車での押しがけ不可 バッテリー上がり時に押しがけで始動できないケースが多い。FI車は電動燃料ポンプが必要なため


「アンコ抜き」は足つきに悩むライダーにとって現実的な選択肢の一つです。シートのウレタンを専門ショップが削ることでシート高を20〜40mm程度下げられるケースが多く、それだけで信号待ちの安心感が大きく変わります。費用は1万円前後が目安です。ただしシートの形状変化でクッション性や乗り心地が変わることもあるため、事前にショップと相談することが大切です。


「O/H(オーバーホール)」は「エンジンを全部バラして組み直す大整備」のイメージがありますが、キャブレターやサスペンションなどの部分O/Hも広く行われます。走行距離が2〜3万kmを超えてきた中古車を購入する際には、O/H歴の有無を確認するだけで購入判断の信頼性が上がります。O/H歴の確認が重要です。


「スプロケット交換」はコストパフォーマンスの高いチューニングとして有名です。フロントスプロケットを1丁増やすと最高速が上がり、1丁減らすと加速が増します。交換費用は部品代込みで1〜2万円程度と、エンジン改造に比べて手が届きやすいです。これは使えそうです。愛車のキャラクターを変えたいライダーには最初に試してほしいカスタムの一つです。


FI車(インジェクション車)のバッテリー上がりに関しても注意が必要です。旧来のキャブレター車であれば押しがけで始動できた場面でも、FI車は電動燃料ポンプが機能しないため押しがけが難しいことが多いです。ツーリング前に必ずバッテリーの電圧確認をする習慣をつけることと、緊急時用のジャンプスターターを携帯することで対策できます。


参考:バイクのカスタムから用語まで豊富に解説されているサイトです。


バイクジン バイク・オートバイ用語集|arkive.bikejin.jp