テージh2 teraのスーパーチャージャー搭載アドベンチャー全解説

テージh2 teraのスーパーチャージャー搭載アドベンチャー全解説

テージh2 teraのスーパーチャージャー搭載アドベンチャーを徹底解説

ビモータ初のアドベンチャーモデルなのに、0-200km/h加速はわずか8.2秒でクリアしてしまいます。


テージH2 TERA 3つのポイント
200ps スーパーチャージャー搭載

カワサキ製998cc直列4気筒+スーパーチャージャーで最高出力200ps/11000rpmを発揮。0-100km/h加速は3.5秒という怪物的な加速力を持つ。

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ハブセンターステアリング採用

ビモータ独自の革新的フロントステアリング構造「Tesi(テージ)システム」を継承。切れ角は片側35°と大きく確保し、アドベンチャーモデルとしての汎用性を実現。

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日本導入準備中(2025年10月発表)

カワサキモータースジャパンが2025年10月29日に国内導入準備開始を発表。価格・発売時期は未定だが、前モデル「テージH2」の866万8000円を上回る可能性が高い。


テージh2 teraとはどんなバイクか:ビモータとカワサキの融合


テージH2 TERAは、イタリアの老舗バイクメーカー「ビモータ(bimota)」がカワサキとのコラボレーションで生み出した、世界で最も異端かつ高性能なアドベンチャーモデルです。正式名称は「Tesi H2 TERA」と表記され、「テージ・エイチツー・テラ」と読みます。


「TERA」という名前には特別な意味が込められています。ビモータの本国サイトによると、TERAはイタリア語で「大地」を意味し、地に足のついたアドベンチャー走行への哲学を表現しています。また「テラ(terra)」は「土」「地面」を意味するラテン語でもあり、オンロードだけに留まらない走行領域を示唆しています。


このモデルは2023年11月にイタリア・ミラノで開催された世界最大の二輪展示会「EICMA(ユーロモーターサイクル)2023」で初披露されました。


ビモータは1973年創業のイタリアのメーカーで、独自のフレームや車体設計で長らく熱烈なファンを獲得してきたブランドです。2019年にカワサキが49%の出資を行いパートナーシップを結んだことで、カワサキの高性能エンジンとビモータの独自車体技術が融合するという、業界屈指の異色コラボレーションが実現しました。


その第1弾として誕生したのが「テージH2(TESI H2)」で、2021年に日本でも866万8,000円という価格で発売されました。テージH2 TERAはその進化型として登場し、スポーツバイクからアドベンチャーバイクという新たなジャンルへの挑戦を意味します。














項目 テージH2 TERA 諸元
エンジン 水冷4ストDOHC直列4気筒 998cc+スーパーチャージャー
最高出力 147.1kW(200ps)/11,000rpm
最大トルク 137N・m(13.9kgm)/8,500rpm
車両重量 233kg
シート高 820±30mm
燃料タンク 22L
タイヤ(前) 120/70ZR17
タイヤ(後) 190/55ZR17
英国参考価格 3万5,000ポンド(約708万円)


つまり「アドベンチャーバイク」という枠組みを根本から覆す1台です。




ビモータ公式ページ(日本語)でテージH2のスペックと設計思想を詳しく確認できます。


https://www.bimota.jp/contents/models/tesih2/


テージh2 teraのスーパーチャージャーエンジンの仕組みと圧倒的な性能

テージH2 TERAの心臓部は、カワサキが誇るZ H2系の998cc水冷DOHC直列4気筒エンジンに、カワサキ独自開発のスーパーチャージャー(過給機)を組み合わせたパワーユニットです。自然吸気ではなく強制的に大量の空気をエンジンに押し込む過給機構により、同排気量のNAエンジンでは到底届かない出力密度を実現しています。


最高出力は147.1kW、すなわち200ps。これは1,000ccクラスのスーパースポーツと肩を並べる数値で、アドベンチャーモデルとしては異次元の域です。最大トルクは137N・m(13.9kgm)を8,500rpmで発揮し、低中回転域でもドカンとくる力強い加速が楽しめます。


ビモータ自身が公表したテストデータでは、0-100km/h加速は3.5秒、0-200km/h加速はわずか8.2秒。同ジャンルでトップを誇るBMW M1000XRの201psにほぼ並ぶ数値で、「クロスオーバーとして世界最速級」という言葉は誇張ではありません。東名高速道路の合流区間(約350m)を、一般車がまだスピードを乗せている間に追い越してしまうイメージの加速力です。


スーパーチャージャーというメカニズムはターボと混同されがちですが、根本的に異なります。ターボはエンジンの排気ガスで過給タービンを回すのに対し、スーパーチャージャーはエンジン自体の回転力で直接コンプレッサーを駆動します。レスポンスの遅延(ターボラグ)がなく、アクセルを開けた瞬間から即座に過給が始まる点が特徴です。これが重要です。


そのため乗り手は「つながりの良さ」を強く感じられます。アドベンチャーモデルに求められる細かなスロットル操作にも、スーパーチャージャーは高い親和性を持つわけです。


電子制御も充実しています。カワサキのKCMF(カワサキコーナリングマネージメントファンクション)、3モード切替のKTRC(カワサキトラクションコントロール)、上下対応のKQS(カワサキクイックシフター)、クルーズコントロールABS、アシスト&スリッパークラッチ、フルカラーTFTスクリーンが標準で装備されます。これだけの電子装備があれば、200psというパワーも安全に扱える域に収まります。


バイク専門メディアのウェビックによる国内導入決定の速報記事です。詳細スペックや写真も確認できます。


https://news.webike.net/motorcycle/497594/


テージh2 teraのハブセンターステアリングが走りを変える理由

テージH2 TERAを語るうえで避けて通れないのが、ビモータの「伝家の宝刀」とも呼ばれるハブセンターステアリングステムです。「Tesi(テージ)」という名前そのものが、このステアリング機構を指しています。


通常のバイクはテレスコピックフロントフォークが、サスペンションとステアリングの両方の役割を兼ねています。一方、ハブセンターステアリングは前輪をスイングアーム式サスペンションで支持し、ステアリング(舵取り)はホイールハブ部分に設けた別の機構で行います。つまりサスペンションとステアリングが完全に分離された構造です。


この構造がもたらす最大のメリットは「ブレーキング時の安定性」です。一般的なテレスコピックフォークでは強くブレーキをかけるとフロントが沈み込み(ノーズダイブ)、フォークの角度が変わってステアリング特性が変化します。ハブセンターステアリングではフロントのサスペンション動作とステアリングが独立しているため、ブレーキをかけても操舵感が変わりません。ブレーキングがそのままコーナー進入に直結するわけです。


ビモータはこの機構について「非常に短い制動距離と強力なトラクション特性をもたらす」と説明しており、200psのスーパーチャージドエンジンと組み合わせることで、加速・制動・コーナリングすべてにおいてバランスの取れた走りを実現しています。


一般的にハブセンターステアリングはハンドルの切れ角が小さくなりがちで、駐車場での小回りが難しいという弱点もありました。テージH2 TERAではこれを改善し、片側35°という大きな切れ角を確保しています。アドベンチャーモデルとして街乗りや狭い山道でも扱いやすい数値です。


フロントの重量配分も注目ポイントです。前モデルのテージH2は53%だったのに対し、テージH2 TERAでは52.5%に変更されています。0.5%の差と思うかもしれませんが、これがアドベンチャーとして必要なフロントの粘り強さとオフロード的な安定感を生み出す緻密なセッティングです。


フロントサスペンションオーリンズ製TTX36を標準装備。ホイールトラベルは前114mm/後135mmで確保されており、オプションでマルゾッキ製セミアクティブ電子制御サスペンションを選択すると前145mm/後165mmまで拡大できます。165mmのストロークは小型サイズのA4用紙(短辺210mm)の約80%に相当する動きを後輪が上下できることを意味し、不整地での安定性が大幅に増します。


これが原則です。


テージh2 teraの豪華装備とツーリング性能:ビモータ史上最も快適な1台

テージH2 TERAがビモータの歴史において「異例」と評される最大の理由は、その豊富なツーリング装備にあります。従来のビモータはサーキット寄りの尖ったスポーツモデルが主体で、快適装備とは無縁のブランドイメージがありました。しかしTERAは根本から異なります。


標準装備から確認すると、まずアクラポビッチ製チタンスリップオンマフラーが最初から付いています。このマフラーにはレーザーエッチングされたロゴ、カーボンエンドキャップ、カーボンヒートシールドが備わる高級仕様です。チタン素材のため一般的なステンレスマフラーより約40%軽量で、車体全体の軽量化にも貢献します。


快適装備としては、クルーズコントロール、グリップヒーターUSB電源ソケット、フルカラーTFTスクリーンが標準で搭載されます。これは使えそうです。


長距離ツーリング向けには、パニアケース(サイドケース)をオプションで装着可能です。パニアケースの内部はキルティング張りという高級仕様で、ビモータらしい美意識が細部まで行き届いています。大型スクリーン、タンデムシート(後席)も選択肢に含まれており、2人乗りで旅に出ることも設計段階から想定されています。


サスペンション面では、前述のとおり標準がオーリンズ製TTX36という世界的なトップブランドの製品です。TTX36はスーパーバイク世界選手権でも使用されるレース用ユニットで、ストリートモデルへの標準装備という事例は非常に希少です。


ライダーのポジションも工夫されています。シート高は820±30mmと調整幅があり、体型や用途に応じて低めにも高めにも設定できます。820mmの基準値は、ちょうど一般的な日本人男性の股下(約77〜82cm)に近い数値で、足着き性も考慮された設計です。


市販仕様のデザインとして確認されているのは、ミドルカウルに装着されたカーボン製ウイングレットの存在です。2025年10月のジャパンモビリティショーで展示された際、2段構成のカーボン製ウイングレットが追加されており、これが市販仕様にも採用されることが確認されています。ウイングレットは高速走行時のフロントリフトを抑えるダウンフォース効果があり、200psという強力な加速力を発揮するTERAには機能的にも意義があります。


カワサキ公式による「Tesi H2 TERA」国内販売予定のお知らせページです。


https://www.kawasaki-motors.com/ja-jp/latest-news/1153/bimota-Tesi-H2-TERA


テージh2 teraの日本導入情報と想定価格:866万円を超える覚悟

カワサキモータースジャパンは2025年10月29日、テージH2 TERAの国内販売に向けた準備を開始したことを公式に発表しました。この日はジャパンモビリティショー2025の開幕日であり、同ショーのカワサキブースにTERAが展示されたことで、一般バイクファンの目に触れる機会が初めて訪れました。


国内での価格・発売時期はまだ未発表の状態です。ただし、参考情報として公開されているのがイギリスでの販売価格で、3万5,000ポンド(2025年当時のレートで約708万円)と公表されています。


日本での価格を推測するうえで重要な比較対象が、前モデルのテージH2です。テージH2は2021年に税込866万8,000円で日本発売されました。英国での販売価格を日本円に換算したベースから、関税・輸送コスト・国内事業コスト・消費税が上乗せされるのが通例です。


このことを考えると、テージH2 TERAの日本価格は1,000万円に迫る可能性が高いと多くのバイク専門メディアが予測しています。具体的にヤングマシン誌などは「前モデルの866万円を超えるのはほぼ確実で、1,000万円前後が現実的」との見解を示しています。


1,000万円という価格は国産ハイエンドバイクと比べると桁違いに感じますが、世界的な超高級スポーツバイクのカテゴリでは珍しい価格帯ではありません。ドゥカティのデスモセディチRRが約360万円、パニガーレV4Rが約480万円という価格帯であることを考えると、世界唯一のハブセンターステアリング×スーパーチャージャー搭載アドベンチャーという唯一無二の希少性を評価すれば、説明のつく数字とも言えます。


販売はビモータ正規取扱店のみで行われる予定です。取扱店はカワサキの正規ディーラーの中から指定された限られた店舗に絞られており、全国で対応できる店舗数は多くないと考えられます。購入を検討する場合はカワサキの公式サイトから最寄りの正規ビモータ取扱店を事前に確認しておくのが確実です。


厳しいところですね。


バイクブロスによるテージH2 TERAの詳細スペック一覧ページです。各諸元をまとめて確認できます。


https://www.bikebros.co.jp/catalog/12/999_5/


テージh2 teraを所有するバイク乗りだけが知っておくべき維持と扱い方の現実

テージH2 TERAは購入した後も、オーナーとして知っておくべきポイントがいくつかあります。スーパーチャージャー搭載バイクとハブセンターステアリングという2つの特殊機構を抱える点で、一般的なバイクとは異なる維持管理の視点が必要です。


まずスーパーチャージャーの維持について。カワサキはNinja H2シリーズでスーパーチャージャー付きバイクを2015年以来販売しており、国内でのメンテナンスノウハウは確立されています。一般的な自然吸気エンジンに比べてスーパーチャージャー内部のベアリングや潤滑系には気を配る必要があるものの、定期点検をきちんと受けていれば大きなトラブルにはなりにくいとされています。エンジンオイルはSAE10W-40を指定し、全容量4.7Lです。


ハブセンターステアリングの機構は、複雑なリンクパーツで構成されています。これが重要です。通常のテレスコピックフォークに比べてメンテナンスポイントが多く、可動部のグリスアップや経年による摩耗確認が必要です。ビモータ正規取扱店での定期的な整備が前提であり、街の一般バイクショップでは対応が難しいケースも十分にあります。


保険についても注意が必要です。1,000万円前後の車両価格を持つバイクの場合、車両保険保険料率が一般的な中型・大型バイクとは大きく異なります。チューニングや改造を加えた場合は保険会社への申告義務があり、告知漏れがあると保険金が支払われないリスクがある点も忘れてはなりません。


維持費のリスクを管理する際、年間の保険料見積もりを事前に複数の保険会社で比較しておくのが有効です。一般社団法人日本損害保険協会のサイトでは、バイクの任意保険について基礎から確認できます。


純正の標準タイヤは前120/70ZR17、後190/55ZR17で、スポーツライドとツーリングの両立が求められる銘柄の選択が重要です。200psのパワーを受け止めるためのハイグリップタイヤに交換する場合は、前後セットで6〜10万円程度の費用が目安となります。交換頻度は乗り方にもよりますが、激しく乗るライダーなら後輪で6,000〜8,000kmで要交換という事例もあります。


燃料タンク容量は22Lです。仮に市街地中心の燃費が15km/L程度とすると、1タンクで330km程度の航続距離になります。ツーリングでの給油計画を立てやすい容量で、長距離でもストレスなく走れる構成です。


テージH2 TERAというバイクは、乗り手に高い技術と知識を要求しながらも、最高の素材と最先端の技術でライダーを支える1台です。ハブセンターステアリングのフィーリング、スーパーチャージャーが奏でる独特のサウンド、そして世界に数台しか走っていないという稀少感は、1,000万円に迫る価格を出してでも体験したいと思わせる何かを確かに持っています。










維持・扱い方のポイント 内容
🛢️ エンジンオイル SAE10W-40指定、容量4.7L。定期交換が基本
🔩 ハブステア整備 リンク可動部のグリスアップ・摩耗確認が必要。ビモータ正規店での定期点検が条件
🛞 タイヤ交換目安 後輪は激しい乗り方で6,000〜8,000km程度。前後セット6〜10万円が目安
🛡️ 保険 高額車両のため保険料は高め。改造時は必ず保険会社に申告を
⛽ 航続距離 22Lタンク。市街地15km/L換算で約330km程度


くるまのニュースによる日本導入決定のニュース記事。導入の背景や装備の詳細が丁寧に解説されています。


https://kuruma-news.jp/post/970623